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TANIZAKI TRIBUTE を観る(予定w)

 日本が誇る世界的文豪・谷崎潤一郎の耽美で官能的な世界を、気鋭の映画監督達がそれぞれの感性で映像化した 「TANIZAKI TRIBUTE」。 以前、このブログでも紹介した「富美子の足」、他に「神と人間との間」、「悪魔」の3作品が8月11日、夜11時5分からWOWOWで放送されるようです。

 この作品が公開された当時、当ブログで紹介した所、「富美子の足」を上映館で鑑賞した馬山人さんから映画に対する辛辣なコメントを頂きました。 僕は予告編を観ただけでしたので、映画の感想に関しては書けませんでしたが、作品の世界観さえ失われていなければ、いわゆる原作レ イプなどと揶揄される作品でも割と好意的に楽しんでしまう方なのです。 しかし、頂いたコメントはまさにその世界観をぶち壊しにしているというご指摘でした。

  「そうか、そうか、それはまた別の意味で面白そうだな…」とも考えましたが、映画が一本1800円もするご時世。 「多分、一年もしないうちにWOWOW辺りでやるんじゃなかろうか…」との希望的観測のもと、結局観るのを控えていました。

 その、心の何処かに引っかかっていた作品が、3本まとめて放映されるというのですから、これは観ない手はありません。

 コメントを下さった馬山人さんが仰っていたように、足フェチを全く理解できないと公言された監督さんが撮った異色中の異色作「富美子の足」、谷崎作品へのリスペクトはあるのか、ないのか⁉︎

 ぜひ確認させて頂きたいと思います。

 作品鑑賞後、感じる事があれば改めて記事にするかもしれませんが、多忙の為どうなるかはわからないのねんのねん。




二本の富美子の足


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火の鳥のやうに・・・

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長らく檻の中に閉じこもっていますが・・・

もうすぐ復活します! 多分・・・^_^;





あるいは巨尻でいっぱいの本

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 多忙の為、残念ながらヴァニラ画廊で開催中の「春川ナミオ展」には行けそうにない僕ですが…

 「マゾヒズムに花束を!」一日遅れのエープリールフールには、すっかり騙されて、「すわ、これは一大事! 早急に画集を入手しなければ完売してしまうかもしれない!!」と慌ててネットで注文した本が手元に届きました ^ ^

 THE INCREDIBLE FEMDOM ART of NAMIO HARUKAWA 春川ナミオ画集 ドミナの玉座、あるいは顔面騎乗主義者の愉楽

 勝手に、薄手で大判の画集をイメージしていたら、なんと300ページもの分厚さ! SM誌と同じA5版サイズながらイラストは1ページにつき1点のみ、全285点収録というボリューム。 カラーページ満載。 カバーの折り返しや裏面にも仕掛けありという贅沢な仕様。

 濃密で、きめ細やかなモノクロームの引き締まった画面。 SMコレクターやSM奇譚などのグラビアで馴染んだ懐かしい二色刷りの色合い。 春川作品にはこのサイズとこのカラーがよく似合います。

 鉛筆の描線を丁寧に執拗なまでに何度も重ねて表現した、美しい女体のフォルムと圧倒的な重量感。 唇や乳首、衣装の花柄やハイヒールなどのポイントに淡い朱色をあしらう事で女性の高貴な美しさや品格、フェミニンな雰囲気や清潔感を際立たせている。

 色を多用した4色刷りでは、けっしてあの独特な世界観は表現できないのではないかと思います。

 仄暗い密室で、あるいは人気のない屋外で、女と男の異端の秘め事は夜毎繰り返される。

 豊満な双臀の谷間や股間の繁みに顔を埋め、女体宇宙を彷徨いながら悟りを開いたであろう男たちの潔さ。
 目を閉じて慈しむような笑みを浮かべながら男達を圧殺し、優雅に煙草を燻らせる女神達の偉大さ。

 エロスとタナトスの融合。 生と死を行き来する快楽の極致。

 60年もの長きに渡って、ひたすら“顔面騎乗”だけを描き続けた孤高の絵師の仕事ぶりにはただただ圧倒されます。

 いつか死する瞬間が来たならば、この作品群の中の幸福な男達の様に、偉大なる女体の二つの膨らみに包み込まれ、同化して最期を迎えたい。 そんな思いにさせてくれる1冊でありました。

 あまりに本の出来栄えが素晴らしかったので、未購入だった「絵物語 ドミナの園」もついでにポチり、過去の著作の古書価格まで調べていました。

 春川画伯のサイン入りが欲しかったので、エディシオン・トレヴィル社の直販を利用した訳ですが、宅配便のお知らせメールや荷物の品名欄に「春川ナミオ画集」と記載されていたのにはちょっと驚きました。 立派なお尻の持ち主のうら若き女性ドライバーさん(←マジです)から荷物を受け取る際には、よからぬ妄想をしてしまった。

 「ふぅん…お客さん、こういう趣味があるんだぁ…じゃあ、今度私のお尻に敷いてあげましょうか?」
 「えっ!? お…お願いしまひゅ(>_<)」

 いまや世界中のマニアや著名人らに愛され、あのマドンナの一推しアーティストでもあるという。

 願わくは、いつか美術の教科書に採用され、思春期の女性達の間に「男の顔はお尻に敷くもの」と言う価値観が浸透してくれればいい。

お尻に敷かれて死ねたら本望!

顔騎道と云ふは死ぬ事と見つけたり

春川ナミオを観ずして顔面騎乗を語るなかれ

春川ナミオバンザーーーイ‼︎‼︎


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のび太の女権帝国

 
 
 少年漫画一筋で人気を博してきた藤子・F・不二雄氏ですが、一時期劇画の台頭によってスランプに陥り、ビッグコミック編集長の説得に応じる形で、クオリティの高い大人向け作品を次々と発表していた事がありました。

 少年漫画と変わらぬ健全な画風とわずかなページ数で、現代社会や日常生活に潜む恐怖をあぶり出して見せたかと思えば、暗澹たる未来世界を予見したシリアスなSF作品で読者を戦慄に陥し入れたりもしました。 これらの異色SFや奇妙な味わいのある作品群は、F氏の新境地を開拓し新たな一面を世に知らしめたと言えるでしょう。

 例えば幼 児退行願望を満たす奇妙な施設の存在を描いた「やすらぎの館」
牛が人間を食べるという、食物連鎖が逆転した惑星に漂着した宇宙飛行士の苦悩を描いた傑作「ミノタウロスの皿」。 小説家である夫のDVに耐え続けるおとなしい妻が、家庭内のあちこちに張り巡らせた静かなる殺意に戦慄する「コロリころげた木の根っこ」。 アイドルのクローンを密造して販売する「有名人販売株式会社」等々…

 この辺りの作品はエスエマーやフェティシストとしても非常に興味深い内容となっていますが、今回はわずか4ページで女権社会を描いた「女には売るものがある」をご紹介したいと思います。
(ネタバレ注意)

 残業を終えて帰路につく冴えない中年男性に声をかける一人の若い女性。
煙草を吸いながら足を組み、街灯の明かりの下に佇む女性の姿を見れば、読者の誰もが街娼かと思うでしょう。

 しかし、声をかけられた男の慌てふためく様子が尋常ではありません。

 声を潜め二本指を差し出す女性の誘いに乗って、ラブホテルへと向かう二人。

 女性は風呂場で男の背中を流し、甲斐甲斐しく浴衣を着せて、いよいよベッドインかと思われたその瞬間…突然、気弱に見えた男が暴君へと変貌します。

 ベッドに上がろうとする女性を突き飛ばし、跪かせ、夕刊やお茶を持ってこさせ、枕をぶつけ、お茶をぶっ掛けます。 エアコンを切らせ団扇で扇がせたり、マッサージをさせ暴言を浴びせ続けるのです。

「女のくせに!」
「女は男に従属奉仕するものだぞ」

 男の横暴な振る舞いにひたすら耐え従う女性。

 と、その時、警察官と思しき人物がドアの前に立ちはだかります。青ざめる男…

 そう、つまりこれは女性上位が定着した社会の出来事であり、男はかつて女性を蔑ろにし、アゴでこき使っていた時代を懐古し、今では決して許されない男尊女卑の快楽に浸る為にお金を支払って女性からその権利を買ったというオチなのでありました。

 その後、男は警察に捕まり、女性の警察署長にこってりと絞られます。

 権利を売った女性は「裏切り者」として糾弾され“売権法違反”の罪で送検されるのでした。

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 この作品が発表されたのは1976年。
前年には、国際連合が女性の地位向上を目標に掲げ、1975年を「国際女性年」とする事を宣言しています。

 世は1960年代後半から巻き起こったウーマンリブなる女性解放運動のうねりが一段落し、フェミニズムへと移行していった時期と一致します。  F氏は、女性を巡る社会環境が変化していった時代を風刺し作品化したのでしょう。

 作品には、女性上司に従属する男性警察官の描写が一コマあるだけで、女尊男卑に関する具体的な描写こそありませんが、男のオドオドした態度から女性に対する恐怖心が窺われます。

 価値観や常識の逆転はSF的な発想の基本ですが、作品の初出から43年、まだまだ女性の地位は決して高くなったとは言えないのが実情です。

  同じ頃、ジョージ秋山氏も「ゴミムシくん」という女尊男卑の世界を描いた名作を発表していますが、同じ様な時代背景が影響したのではないかと思われます。

 女権国家は、今はまだマゾヒスト男性諸氏の妄想の中にのみ存在していますが、バイトテロや煽り運転など男達の愚行をニュースで知るたびに、いつか必ず賢く優秀な種である女性達に支配され、彼女達の足下に平伏す時代がやってくるのは間違いないと信じているのですが、何か問題ありますでしょうか?


※この作品は単行本に収録される際、6ページに描き直されていますが、本記事では簡潔でテンポの良い初出版を元に紹介しています。

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攻めの顔騎

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 ネットで見つけた 女性vs男性の格闘系アニメGIF。

 最後は女性のお尻に組み敷かれるとても羨ましい状況に、ネット民(男)からも羨望の声が飛んでいました。

 「顔面騎乗エッロ 最後の勃起指摘もエロすぎ」
 「むしろ男の方が大勝利やろ」
 「ええなあワイもやられたい」

 単なるご褒美の顔騎よりも、攻めの流れの中で男を屈服させる為の顔騎の方が、より興奮できるのは僕が真性マゾだからでしょうか?

 ペニスが男性のシンボルだとしたら大きなお尻は女性のシンボル

 話題のハズキルーペのCMは、かつて象が踏んでも壊れない頑丈さを謳った筆箱のCMをパロったような内容で、女性のお尻の魅力を再認識させてくれますが、女性の強さの象徴のような顔面騎乗ならS女性の支配欲も満たしてくれるのではないでしょうか。

 とにかくM男に限らず男は女性の尻に敷かれるのが好きなんだなぁ

 DIS(どうでも いいか そんな事)(>_<)

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明けましておめでとうございます

      happy new year 2019

明けましておめでとうございます!

 本年も当ブログをよろしくお願いいたします。

忙しさにかまけて、更新をさぼっていた間に年が明けてしまいました(>_<)

書き進めていた記事は年の瀬に合わせたものでしたが、間に合いませんでしたので、多少内容を変更して近日中にアップする予定です。

題して「さらば戌年」 ←遅いっちゅうーのwww

今しばらくお待ちくださいませm(__)m

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アイドル妄想

 
 女性アイドルグループ“モーニング娘。”が最も輝いていた時期、センターを務めた事もある元リーダーの吉澤ひとみさんが、酒気帯び運転にの上、ひき逃げをしたとして、道路交通法違反と自動車運転処罰法違反の罪で起訴されました。 11月29日には初公判が開かれる模様です。

 モーニング娘のOG、特に最盛期のメンバーは、これまでも何かと世間をお騒がせしてきましたが、今回の件はアイドル史上に残るスキャンダルの決定打となってしまいました。

 とうとう元メンバーから逮捕者まで出してしまった…モーニング娘。のファンだった僕は、このニュースを知って愕然としました。

 オーディションの際、当時のプロデューサーだったつんく♂氏をして、「天才的に可愛い」と言わしめた程の美貌を持つ吉澤ひとみさんですが、メンバーやファン達からは“男前”と言われていたように、どこかボーイッシュな一面がありました。 フットサルにハマり、高級自転車や車を愛で、成人してからはお酒が好きで結構失敗もやらかしていたらしい。

 泥酔して、居酒屋でドアを開けっ放したまま用を足していたという証言もありました。

 僕はフェミニンな女性が好みなので、モーニング娘。在籍当時から吉澤ひとみさんにはそれほど関心はありませんでしたが、気の毒なのはこれまで彼女を支えてきたファンや現役で頑張っているメンバー達です。

事故後に逃げ去る吉澤さんを追いかけて、現場に戻る様に促した男性に対して「放っておいてくれ」とばかりに露骨に不快そうな顔をし、無視を決め込んだとの報道もありましたが、そうした証言にも僕は、彼女の内なる男性的エゴを感じ取りました。

 AKBグループの台頭で、モーニング娘。の人気が下降線を辿ってから後に加入してきたメンバーは、もう一度最盛期の頃の様な輝きを取り戻そうと必死に頑張ってきました。

 彼女達はスキャンダラスな問題は一切起こしていません。 チームワークもフォーメーションダンスを取り入れた頃から、以前よりも格段によくなったような印象があります。

 それを先輩OG達が足を引っ張っているのですからどうしようもありません。

 モーニング娘。は、表向きは和気藹々としている様で、実は体育会系の如きパイセン至上主義のグループです。 宝塚音楽学校の伝統的なやり方を踏襲しているのかもしれません。

 一期違えばその扱いには天と地の差があるようです。
年齢は無関係。 あくまで加入時期が基準となっヒエラルキーが構成されています。

 楽屋のロケ弁などもまず先輩が好みのものを選び、後輩は残った物の中から選びます。

 僕はこの厳しい上下関係にマゾヒズムを刺激されます。

 ダンスレッスンなどで先輩に怒られ、悔し涙を流す新入りのメンバー達。
リーダーに楽屋裏へ呼び出され、コンコンとお説教を受けたりする状況も、マゾな僕にとっては萌え~なのです。

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 僕は女性アイドルグループを担当する老マネージャーとして雇用され、最底辺の扱いを受ける事に憧れます。 10代から20代前半の女の子達に顎で使われ、叱責され、蔑まれ、時にお仕置きと称して暴行を受けるのです。

 彼女達の脱ぎ捨てた衣装や下着類の汚れは、洗濯前の下洗いとして舌を使って念入りに洗浄させられます。
全員の生理日を管理し、大量の生理用品やビデなどを買いに走るのも僕の仕事です。

 散らかし放題の楽屋を片付け、清掃し、お菓子や飲み物を用意して正座しながら彼女達の出番が終わるのを待ちます。
食事はロケ弁の残りに唾や聖水をかけたものが与えられます。
育ち盛りの女の子達なので、残り物が出ない時などは排泄物を与えられることもあるかも知れません。

 歌やダンスで疲れた彼女達の身体をケアするのもマネージャーの役目です。
10数人という女の子達の身体を、一人一人念入りに揉みほぐしていくと終わった頃はヘトヘトです。
おみ足を洗浄し、角質を取り除き、スキンクリームを刷り込み、足爪を切り揃え、ペディキュアを施します。

 これらの身の回りのお世話は、全てにおいて先輩がたが優先で、順番を間違えたりしたら厳しいお仕置きが待っています。

 新曲のオリコン順位が低いと、責任を転嫁され、寄ってたかって鞭打たれ 踏みつけられ、暴行されます 。先輩に叱責された子達も、その悔しさやストレスを僕に向けて発散します。

 メンバー達は僕の事をマゾネージャーと呼んで、可愛がってくれるのです。

 最近の芸能界事情はよくわかりませんが、以前は芸能事務所のマネージャーと言えば、我儘なタレントにいびられ虐め倒されるキツイ職業というイメージがありました。 大御所の付き人なども人間扱いされない過酷な噂を耳にします。

 実は僕も一時期、徒弟制度の名残がある職業に就ていた事があり、使い走りやシゴキに耐えた経験があります。 師匠が男性だったので耐えきれずに2年ほどで逃げ出しましたが、美しい女性が相手ならマゾヒズムが発動されていたかもしれません。

 華やかな存在(美しい女性に限る)を陰で支える仕事は、僕の様なマゾヒストには向いている様な気がします。

 吉澤ひとみさんの事件からあらぬ妄想を描いてしまいましたが、もちろん実際のモーニング娘。のメンバーは、常にスタッフやファンに感謝をし、礼儀正しい少女達である事は言うまでもありません。

 被告となった吉澤ひとみさんが深く反省し、1日も早く社会復帰できる日がやって来る事を祈っています。


怪力少女の想い出

 小学二年生の春、クラス替えで同じクラスになったばかりの友人Aから、 “怪力京子”とあだ名される女の子の噂を耳にしました。

 彼の話によると怪力京子は幼少時から空手を習っていて、女の子が男の子に虐められているとすかさず助けに入り、どんな男の子でもたちどころに撃退してしまうのだとか…

しかも腕相撲がやたらと強くて、友人Aも手合わせをした事があるが、全く歯が立たなかったという事でした。

 彼は幼稚園の頃から怪力京子とクラスが一緒で、彼女の強さをずっと目の当たりにしてきたそうです。 彼女に泣かされた男の子は数知れない…と、友人Aはまるで自慢話でもするように語りました。

 僕は授業が終わるとすぐさま学校を後にしていましたし、休み時間は教室で漫画を描いているような子供だったので、他のクラスにどんな子がいるのかほとんど知りませんでした。

 友人Aとは幼稚園も別だったので、怪力京子なる女の子の噂も初耳です。

 しかし、当時すでにM性に目覚めていた僕は、怪力京子なる少女に並々ならぬ興味を持ち、休み時間を利用して友人Aと一緒に彼女のクラスを視察しに行くことにしました。

 後方の出入り口から教室内を恐る恐る覗く僕達。友人Aは怪力京子を見つけると、遠慮がちに指差しながら「あいつ…ほら、今ちょっとこっちの方を見た…」と言って僕の陰に隠れようとします。

 「え⁉︎ あの子?」

 そこには天使の輪が煌めく黒髪のロングヘアに、クリっと大きな目をした華奢な美少女が立っていました。

 彼女は僕の視線に気がついたのか、こちらを見ながら小首を傾げ「私に何か用?」とでも言いたげな顔をしました。
僕はドギマギして慌てて視線をそらし、誰かを探しているふうに教室内を見渡してごまかしましたが、心臓はバクバクです。

 僕は怪力京子の事を、勝手に“ショートヘアの体格のいい女の子”だろうと想像していたので、一瞬友人Aの話はホラではないかと疑いました。

 友人Aは赤塚不二夫と藤子不二雄を混同し「おそ松くんと忍者ハットリくんを描いた作者は同じ人だ。」と言い張る、ちょっとアレな子供でした。 僕が勘違いを指摘しても「うちにあるソノシートにはどちらも同じ作者名が書いてあった」と言って譲りません。 そこで「じゃあ明日2枚共持ってきて見せて」と言うと「従兄弟に貸したので今は手元にない…」などと平気で嘘をつくようなヤツだったのです。 僕が疑念を抱いたのも無理からぬ事でした。

 友人Aに怪力京子と名指しされた美少女は、僕達に不審なものを感じたのか、チラチラとこちらの様子を窺っているようでした。 そして次の瞬間、僕の後ろに隠れている友人Aを見つけると「お前かぁっ⁉︎」と可愛いらしい怒声をあげたのです。

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 そしてなんと、唐突に空手の正拳突きや上段蹴りの形を披露するや、不敵な笑みを浮かべ「かかってこいやー」の手招きをしながらこちらへ近づいてくるではありませんか!

 「うわぁ、やべえ 逃げろ‼︎」

 友人Aが叫ぶが速いか、僕達はその場を離れ一目散に自分達の教室へと逃げ帰りました。

 怪力京子のクラスと僕達のクラスとは校舎が別棟で、渡り廊下で繋がっていました。
僕達はまるで巨人に獲って食われるかのような恐怖心に駆られ、後ろも振り返らずに必死に逃げ帰りました。

 そうして自分達の教室に戻った後も、休み時間が終わるまではいつでも逃げ出せる体制で出入り口の方に注意を払っていました。 しかし、幸いにも彼女が僕達を追いかけて来るような事はありませんでした。

 考えてみれば僕達は、彼女に追いかけ回されてボコられるような悪さは何もしていません。

 あのキレの良い見事な空手の所作や友人Aの怯えようから、彼の話が作り話や誇張でない事だけは確信しました。

 友人Aは「なっ?俺が言った事は本当だろ?俺は嘘つかないだろ?」と何度か念押しで確認すると、満足したのかそれ以上怪力京子に関する話をしなくなりました。

 おそらく赤塚不二夫と藤子不二雄を混同した件で、僕に嘘つきと思われているのがシャクだったのでしょう。 彼にとって怪力京子の一件は、名誉挽回の一手だったのだと思います。

 友人Aとの怪力京子の話題はそれっきりになりましたが、僕はその日以来、彼女の事が気になって気になって仕方がなくなりました。
 不可思議な感情ですが、なにやら恐怖心と同時に淡い恋心のようなものが芽生えたようなのです。

 しかし、そんな気持ちとは裏腹に彼女のクラスの前を通る時は、俯いて足早に駆け去るようしていました。

 僕は誓って、女の子に対して悪さを働いた事はありませんが、彼女の眼力に僕のM性癖が見抜かれているような後ろめたい気持ちがあったのかもしれません。

 美少女と言うだけで後光が差し、まるで超能力者か何かのように万能な存在と考えてしまうのは子供の頃からの僕の悪い癖です。

 その後、彼女とは何度か廊下ですれ違うような事はありましたが、向こうは僕の事はすっかり忘れているようで、なにやらホッとしたような寂しいような複雑な思いがしたものでした。

 本当は大勢の女の子達が観ている前で囃し立てられながら、怪力京子にボコられて泣かされたい…
パンツを下ろされて辱めを受けて笑われたい…そんな事を考えるたびに僕の小さなチンチンはカチカチに硬くなっていたのです。

 子供社会において、女の子に泣かされるという屈辱は、大いなるトラウマであり、マゾヒズム覚醒のきっかけになり得る出来事です。僕のご主人様も、幼 児 期には男の子の事を泣くまで虐めていたと仰っていました。

 きっと大勢の男児達をマゾとして目覚めさせた事でしょう。

 ご主人様のお話を伺って、僕は、小学2年生の時よりもチョビッとだけ立派になったチンチンを硬くした事は言うまでもありません。

 その年の夏休み、僕は都内から埼玉県の小学校へと転校したので、怪力京子が悪童男子共を成敗している場面にはとうとう一度も出くわす事はありませんでした。

 その後、漫画「ハレンチ学園」の影響でスカートめくりが流行った際、彼女の金的蹴りが多くの少年達の急所にめり込んだであろう事は想像に難くありません。

 彼女は今、一体何処でどうしているのでしょうか?…
 彼女に娘さんがいたとしたら、その子も怪力で名を馳せ、悪い男の子達を懲らしめてきたのでしょうか?

 ちなみにこの記事では彼女の名前を京子と記していますが、実際はどんな漢字を書くのか知りません。 恭子か、あるいは響子か、はたまた今日子という可能性もありそうです。 苗字の方は全く不明ですが、友人Aから聞いたニックネームだけはインパクトが強かった為に鮮明に記憶しているのです。 何処かで名前を見ていたとしてもおそらく平仮名だったでしょうし、何分にも小2の時の事なので記憶が曖昧です。

 あ!もしかしたら強子かもしれませんね!

 怪力強子

 そうに違いありません。なんと強そうな名前でしょうか‼︎

 顔の印象もはっきり覚えてはいるのですが、入学時から別のクラスだったので一緒に写っている記念写真もありませんし、2年の夏には転校したので卒業アルバムもありません。

 長年埋もれていた記憶なので、どこかで多少美化している可能性も否めませんが、それを確認する手立てもありません。

 ただ、僕が半世紀も覚えている事から、かなり可愛い子だったのは間違いないと思います。

 他愛のない思い出話で恐縮です。 実は今回の記事はこれだけで、さらなる展開もオチも何もないのです。

 僕が怪力京子にボコられたわけではありませんし、その現場を目撃したわけでもありません。 しかし、その後しばらくの間は僕の妄想の中に登場して、少年期のマゾヒズムの芽を育ててくれた事だけは間違いありません。

 もしかしたらあれが僕の初恋だったのかもしれませんね。

 youtubeで見つけた9歳のロシア少女エブニカちゃんの動画を観て、半世紀ぶりに怪力京子の事を思い出しました。

 



 素手で木の幹を執拗に殴りつけ破壊するエブニカちゃんの闘争心は、腑抜けたマゾヒズムを吹き飛ばしてくれます。 グローブをつけた拳で木を真っ二つにへし折る動画も衝撃的です。

 素人の大人が全力でかかったとしても太刀打ちできる気がしませんし、向かって来られたら土下座で許しを乞うレベルです。

 これを観ると8歳の女の子が腕力で男子を泣かす事など、いとも容易い事のように思えます。

 谷崎潤一郎の名作「少年」ばりの淡くて美しい物語を語りたいのですが、残念ながら僕にはそんな思い出はありません(>_<)

それでも、僕にとって怪力京子の伝説は、マゾ心を撃ち抜かれた忘れえぬ思い出なのであります。


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プロフィール

mugi

Author:mugi
踏みつけられて、より強く丈夫に
育つムギの様でありなさいと
ご主人様が付けて下さった奴隷
名です。なんという素晴らしい
ネーミングセンス!
しかも音の響きも可愛らしい。
ビールが大好物の僕にピッタリ!
とても気に入っています(*^o^*)
馬派(苦痛)・犬派(奉仕)・豚派
(便器)全てのM性癖を持ち合わ
せたオールラウンダーな変態を
目指しています。

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