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踏みつけられたい

 “女性に踏まれたい”という願望は、マゾヒズムとしては初歩的で軽度な部類に属するもののようです。

 ノーマル男性でも女性の美脚を目の前にすると、思わずそうした願望を口にする事があります。
冗談めかしてはいても、自己に内在しているマゾヒズムが表出しているのかもしれません。

 しかし、実際にやられてみるとわかりますが、本格的な踏みつけはけっしてソフトで緩い責めではありません。
場合によっては鞭よりも過酷です。

 踏みつけが比較的軽度なマゾヒズムだという見解は、体重をかけない軽い顔踏みや足コキなどフェティッシュな要素も含まれているからでしょうか。

 同じ踏みつけでもソフトな恥辱系ハードな苦痛系では全く別の嗜好のような気がします。

 僕は年を経て、顔面をフットレストとして使われたり、平伏した後頭部を足で押さえつけられるような屈辱系にも興奮を覚えるようになりましたが、若い頃は圧倒的に苦痛派でした。

 女性のスラリと伸びた脚は眩く美しい。
 
 その美しき凶器で血塗れになるまで踏み躙られたい。

 それは僕にとって、SEXなどよりもはるかにエロティックで、眩惑に満ちた男女の愛の交わりなのです。

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 ハイヒールやパンプスなど女性の靴で踏まれたい性癖はアルトカルシフィリアと呼ばれています。
ストッキングを履いた足や素足で優しく踏まれるのとは違い、靴で踏まれるのはかなりの肉体的苦痛を伴います。 踏み方によっては重傷を負う事さえあり得ます。

 しかし、崇拝する女性の美しい部位に辱められたい、痛めつけられたいと願うのがマゾヒズムたる所以ならば、マゾヒストは踏みにじられながらも最高の快楽と幸福を享受しているのでしょう。

 僕も床に仰向けに寝て、女王様にハイヒールのままで身体の上に乗って頂いた事があります。
小柄な女性であっても胸部などに乗られると耐え難い激痛で、思わず女王様の足首を掴んで叱責されてしまった事もありました。 それでもなお、股間を熱くたぎらせ陶酔する己がマゾヒズムの深い業

 
 海外のサイトではtramplingというカテゴリーで、女性が男性を踏みつけている映像を多数見つける事ができます。 1人、あるいは複数の女性が無邪気に、しかし容赦なく男性を踏みつぶしています。

 時に5、6人の女性が、男性の身体の上に敷かれた厚い板の上に乗っているものなども見かけます。
300キロ近い荷重を受け、恍惚とした表情でうめき声を挙げるマニアの姿は、常人の理解を遥かに超えています。

 日本ではほとんど見かけませんが、海外には踏み台の中央に穴を開けたcockboxと呼ばれるペニス責め具があります。 仰向けに横たわったM男性の下腹部に設置し、局部を穴から露出させて台の上に乗ったドミナが踏み潰すのです。

 彼女達はまるで芋虫でも踏み潰すかのように、嬉々としてペニスや睾丸を靴の底で踏みにじります。 尿道口から血が噴き出し、悶死寸前のM男をなおも踏み続けるドミナ達の冷酷さには震撼します。


 僕のご主人様は、最近はあまり奴隷を踏みつける事はなさいませんが、まだお店に通っていた頃に忘れる事ができない踏みつけの思い出がいくつかあります。

 一つはストーリープレイで。
僕が描いたシナリオは「奴隷としてお仕えしながらも、マッサージの最中にご主人様に欲情し、襲いかかって逆襲される」というシーンでした。 この時は全身にヒールの痕が点々と残り、数ヶ月間消えないくらいまでに激しく踏みつけらました。

 ベッドでうつ伏せているご主人様の背後からしがみつき、夢中で胸の辺りに触れてしまった感触があったので、本気でお怒りになられたのかもしれません。

 ヒールで胸と前腕の肉がえぐれて出血しましたが、僕は激痛に悶え苦しみながらも、ヒールを踏み降ろすご主人様のお姿に見惚れていました。 その時の傷痕が今も盛り上がって残っています。 これは僕にとって女神が付けて下さった刻印なのです。

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そしてもう一つ。 ご主人様が奴隷に餌を与えて下さっていた時の事です。
床にうつ伏せて横を向いていた僕の口元辺りをめがけて、ご主人様が咀嚼したプリンを吐き出して下さいました。 その時 僕は、床に勢いよく落ちてきたプリンの飛沫を浴びて反射的に顔をそらしてしまったのです。

 その瞬間、ドスの効いた罵声と共に背中を思い切り踏みつけられたのでした。

 「誰のために作ってやってると思ってるんだ⁉︎」

 僕は、カエルが踏み潰されたような悲鳴をあげてしまいました。
のちにお店のサイトの掲示板に、僕が発した悲鳴にゾクゾクしたとご主人様からのメッセージが、書き込まれていました。
この時はご主人様もプレイに入り込んでいらしたようで、普段とはすっかりキャラが変わっていらっしゃいました。

 そして最後は鞭打ちのシーンで。
磔状態で散々鞭打たれ後、枷を解かれた瞬間に僕は思わずその場に前のめりに崩れ落ちました。
僕はこの時、初めて経験する鞭酔いに陶酔していたのです。

 するとご主人様は僕の背中をグリグリと踏みつけになり、さらに一本鞭の連打を浴びせられました。
この瞬間から僕は、「ご主人様の奴隷になりたい!」と本気で意識し始めたように記憶しています。


 幼少時に芽生えた僕のマゾヒズムは、性器破壊願望を皮切りに、自身の成長と共に様々な被虐嗜好へと拡大していきました。

 中学に入り、成長期を迎えた女子達の太ももや生足を目にする機会が増えると、その滑らかで艶やかな脚線美に憧れるようになります。

 そしてやがて、その足で嬲られたい、踏みつけられたいという願望を抱くようになったのです。

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 僕はその頃から特に、顔面を踏みつけられる事に強い憧れがあり、妄想するだけで股間を熱くしていました。
その一因として、当時読んだある漫画が深く影響していると思われます。

 その漫画のタイトルは「鬼面石」と言います。

 作者は「赤い花」や「ねじ式」「無能の人」等、独創的な作風で高い評価を得ているつげ義春氏です。
彼は旅物と称される私小説風の作品から、次第にシュールな作風へと変遷を遂げていきますが、「鬼面石」はかなり遡って貸本漫画家時代の作品です。

 かつて貸本漫画の世界は手塚治虫の描くSF作品と、白土三平の描く時代物に大きく人気が二分されていました。 新人漫画家達は出版社によって、この2人の巨匠の亜流となる事を求められていたようです。
つげ氏も例外ではなく、初期作品では彼らの作風を器用に模倣しています。 「鬼面石」は白土三平作品に倣った時代劇です。

 僕は多感な頃、つげ氏の貸本時代の名作をまとめた作品集を入手して、偶然この作品を知りました。

 では、その衝撃的な内容を紹介します。

 時は永禄の頃。 美濃国中巣村という所に十万という下人がいました。
彼はおとなしく実直で勤勉な人間でしたが、罪を犯したわけでもないのに獄囚の身でした。
それは彼の人相が常人とかけ離れて醜く、女子供に恐怖を与えるという理由からでした。

 やがて十万は、労役についたら二度と生還できないと恐れられている岩穴城の築城工事へと駆り出されます。
彼はそこで藤太という囚人にそそのかされ共に脱走しますが、役人に捕らえられ、首枷で宙釣りにされる「首輪の刑」に処されます。

 三日間は生きながらえたもののすでに風前の灯だった十万の命は視察に来た殿様、座間角兵衛によって救われます。

 十万は角兵衛に恩義を感じ忠誠を尽くしますが、角兵衛にとって彼を助けたのは単なる気まぐれに過ぎませんでした。

 十万は角兵衛の屋敷の庭にあるトリ小屋の中で、ニワトリと一緒に生活をさせられていました。

 角兵衛は奥方から「あなたは容貌に自信がないから、より醜い十万をそばに置いて自分を慰めているのでは?」と指摘され、次第に十万に苛立ち、彼を憎むようになりました。

 飯炊き女のお千代が、隠れて十万に生米を与えていたのを知るや、激怒して彼女を木の枝で散々打ちのめします。

 十万は唯一自分を人間扱いしてくれるお千代に淡い恋心を抱くようになります。

 彼女は飯炊き女にしておくにはもったいないほどの美貌を持った女性でした。

 ある日、十万は角兵衛の狩りに同行するように命じられます。 そこで角兵衛が放った流れ矢に当たって、左目を失明してしまうのです。

 十万は自分のようなものを介抱してくれた殿に感謝しますが、実は流れ矢は角兵衛がわざと十万を狙って射たものでした。

 そんなお人好しの十万に、お千代は真実を伝え忠告します。

 「お前はいつか殿様に殺されるよ」
 「どうしたらいいべ?」
 「戦に出て手柄を立ててえらくなることだよ」
 「それじゃ、もしおらがえらくなったら…」
 「そりゃ女子は地位や名誉さえあれば誰でもついていくもんだからね」
 「よーし、おらきっとえらくなってみせる」


 十万はお千代に出世を誓いますが、それは実現しませんでした。
信長に未完の岩穴城を攻め落とされ、従軍した十万も片足切断の負傷で益々風貌の醜さを増しただけでした。

 「ほんにお前は運がないねえ」とお千代は呆れます。

 そんなある夜、お千代の悲鳴を聞いて十万が駆けつけると、今にも殿様に手篭めにされようとしているところでした。
「お前のような器量好しを飯炊き女にしておくのはもったいない。わしの側女になれ」
大声を出して激しく抵抗するお千代は、庭木に縛り付けられてしまいます。
「よく考えておけ」

 草陰からこの様子を見ていた十万は、お千代を助けようとしますが角兵衛に見つかってしまいます。

 「ふん。貴様にも恋心なんてものがあったのか」
角兵衛は「お千代が十万の女房になると言ったら二人とも自由の身にしてやる」と言い放ちました。

 十万はお千代に嫁になって欲しいと懇願しますが、彼女は無言のまま俯いてしまいます。
「わっはっは。そんなつらじゃどんなにジタバタしてもムダだ」
角兵衛はその場で十万の鼻を削ぎ落とし、庭木に縛り付けると消毒と称して小便を引っかけます。

 そして、悔しがる十万を尻目にお千代を連れて去っていきます。

 十万は渾身の力で庭木を引っこ抜いてお千代を助けようとしますが、その場に崩れ落ちてしまいました。

 それから数日後。
十万は角兵衛の家来達によって、顔だけを出して生き埋めにされていました。
その場には美しい着物をまとったお千代の姿もありました。

 「お前のその顔をもっと醜くしてやろうと苦心して考えたのだ」
身動きのできない十万を見下ろしながら角兵衛はさらに続けます。
「みなの者。ここを通る時は必ず十万の顔を踏んで通るのだぞ」


 まずは手始めにと、角兵衛は側女となったお千代を指名します。
そして…

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 お千代は躊躇する事なく、無表情で十万の顔を踏み潰したのでした。

 永禄7年の8月。 美濃は滅んで信長の手に落ちました。
角兵衛の屋敷も跡形もなくなり、そこには荒涼とした荒野が広がっているだけでした。

 土中で悶死した十万の体は腐り果てて土となりましたが、彼の醜い顔だけは路傍の石と化し、今もなお行き交う人々に踏みにじられ蹴られしているという事です…


 
 なんとも後味の悪い救いようのない話ではありますが、お千代さんの我が身可愛さからの裏切りと、冷酷で残忍な所業を憎む事ができません。 土中に埋められ、顔をぽっくり下駄で踏み潰される苦痛を想像すると身の毛がよだちますが、その半面、僕にとっては胸がときめいて股間が熱くなるファンタジーでもあるのです。

 頭部や顔面を踏みつけられるのは、人としてこれ以上ない屈辱でしょうが、マゾヒズム的には主従関係をはっきりと位置付けるマウンティングのようなものと考えられます。

 沼正三の提唱するスクビズムの類型の肉体的下部に分類される願望と言えるでしょうか。

 SMプレイにおいては、女王様へのご挨拶と同様に儀礼的な側面もある“踏みつけ”ですが、客という立場を封印しマゾヒズムにスイッチが入る重要な儀式でもあったように思います。

 女王様はもっと積極的に奴隷を踏みつけるべきだと思うのですが、いかがでしょうか?


 ご主人様! どうか貴女のお足元に這いつくばる奴隷を容赦なく踏みつけて下さいませ。

 僕は貴女に踏みつけられれば踏みつけられるほどに強く丈夫に育つムギのようでありたいのです^ ^



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プロフィール

mugi

Author:mugi
踏みつけられて、より強く丈夫に
育つムギの様でありなさいと
ご主人様が付けて下さった奴隷
名です。なんという素晴らしい
ネーミングセンス!
しかも音の響きも可愛らしい。
ビールが大好物の僕にピッタリ!
とても気に入っています(*^o^*)
馬派(苦痛)・犬派(奉仕)・豚派
(便器)全てのM性癖を持ち合わ
せたオールラウンダーな変態を
目指しています。

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