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「令和怪奇画報」~異形の者たちとの戯れ~

 
 久しぶりにワクワクする買い物をしました。

 令和怪奇画報 妖怪編I

 半年位前だったか、とある女王様がReTweetされた怪奇なイラストがTLに流れてきて、作者である怪奇画家・北原功士氏の存在を知りました。 女王様と言えば豊かな感性をお持ちで、美術や音楽、演劇など芸術的な才に長けた方が大勢いらっしゃるようですが、怖いものや怪奇な物にも関心の深い方が多いのかもしれません。

  一目見て、その絵に惹かれた僕は、すぐさま北原氏のアカウントをフォローし、以来、氏の作画活動に注目してきました。

 今回それらの怪奇画を一冊に纏めて自費出版されるという。
 これは我が本棚に是非1冊お迎えしたいと思い、早速購入したというわけです。

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 北原氏のプロフィールによると漫画家デビュー後、自作を発表しながら、画力向上を目的に荒木飛呂彦氏のアシスタントを経験。後にイラストレーターに転向し、洋泉社の映画雑誌「映画秘宝」などを主戦場に活躍されていたようです。

 幼 児 期に立風書房の児 童 書「日本妖怪図鑑」と出会い、それ以来、怪奇な物の魅力に取り憑かれ、その心躍る感動と消えゆく文化を令和の現代に伝えよう、復活させようと、私財を投じて頑張っていらっしゃいます。

 CG全盛の時代ですが、アクリル絵の具を使った緻密で入念な描写は、やはり手間を掛けたなりの凄みや味わいがあるものです。 何と言っても妖の者たちにCGはそぐわない。 怨念や情念を込めた手書きである事は重要なのでしょう。

 この本の特色はと言えば、多くのイラストに葵と緑と言う2人のJKが登場し、妖怪達と遭遇し、エッチな被害に遭っている所でしょうか。 時にパンチラキックで反撃したり、棒で突いてみたり、警官を呼んできたりと、いかにもJKらしい反応も微笑ましい。 日常と非日常、爽やかなエロティシズムと怪奇なものたちとの融合が違和感なく描かれていて、従来の怖いだけの怪奇画とは一線を画す、新しい試みと言えるかもしれません。

 考えてみれば大抵の妖怪は人を殺すような邪悪な存在ではなく、他愛のない悪戯や脅かしで人間を怖がらせる程度なんですよね。 だからどことなくユーモラスな存在であり愛着が持てる。

 怪奇や恐怖というのは笑いやユーモアと表裏一体である事が、楳図かずお氏や伊藤潤二氏の作品で証明されていると思います。 おぞましい物達と遭遇し、恐怖に顔を引きつらせている画中の人物達に感情移入しながらも、どこかでニタついている自分がいる。この画集の中にも思わず笑ってしまった作品がいくつかありました。

 SMも真剣であればあるほど、何処か滑稽な要素を孕んでいるのと似ている気がします。

 タイトルには令和と銘打ちながらも、その絵の舞台はどう見ても昭和中期頃。
 その情景や昭和アイテムの1つ1つが凝っていて、それらを見ているだけでも充分に楽しめます。

 おそらく著者が最も馴染んだ思い入れ深い時代であり、現在ほど明るすぎず、妖怪が出現するには相応しい時代だったのでしょう。

 巻末には一点一点、著者自らが解説を加え、JK葵と緑の対談形式のコメンタリーも載せるほどの凝りよう。昭和を舞台に選んだ事情もその中で2人のJKに語らせています。

 子供の頃、週間少年マガジンの巻頭グラビアや児 童 向けの怪奇図鑑シリーズなどで高揚感を味わった事のある中高年以上の方ならば、特にこの本の魅力を理解して頂けるのではないかと思います。

怪奇とSMとはあまり関係ないように思えますが、実はこういうアンダーグラウンドな文化や芸術が僕の魂の暗部に深く関わっていて、マゾヒズムと同じ次元に存在してるような気がしています。

 少年雑誌の巻頭グラビアや子供向けの図鑑などでリアルな怪奇画を描き、人気を博していたイラストレーターの石原豪人も、林月光と言う別名でSM誌などに挿絵を描いていましたし、全く無関係という訳でもないように思います。

 この画集は、当初コミケやイベントでの販売用に製作されたものですが、ご存知の通り、新型コロナウィルスの影響でそれらは軒並み中止に追い込まれ、急遽ネット販売中心に切り替えられたようです。

 巻末予告を見ると興味深い続刊の予定が目白押しで、是非とも刊行を実現して頂きたいのですが、売れ行き次第では頓挫してしまう可能性もあるようです。もしご興味のある方、お小遣いに多少の余裕がある方は購入して応援してあげて下さい。

 ツイッターを見ていて、さらに驚いた事は、北原氏の奥様も怪奇に取り憑かれ、妖怪のフィギュアやガレージキットの原型師をされているという事です。  氏の監修を得たその出来栄えは驚くほど緻密で、思わずポチりたくなる。

 特に歌川国芳の「相馬の古内裏」を再現したガレージキットは圧巻の出来で、妖怪 物欲に取り憑かれそうです(笑)
 ご夫婦で怪奇な物に憑かれ創作に没頭する。素敵で羨ましいですね。

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 さて、今回 マゾ花の「僕の本棚」という記事に倣って、僕の蔵書の中から怪奇な物や異形の物、妖怪関連の書物を集めて並べてみました。 あんまり関係なさそうなものもありますが、そこはスルーしてください(笑)

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以下、北原氏の令和怪奇画報サイト

https://www.kaikigahou.com/

北原功士氏ツイッター

https://twitter.com/Kitahara_kou

令和怪奇画報 通販サイト

https://kaikigaho.booth.pm/

北原氏の奥様・怪奇里紗さんのツイッター

https://twitter.com/kaiki_risa


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プロフィール

mugi

Author:mugi
踏みつけられて、より強く丈夫に
育つムギの様でありなさいと
ご主人様が付けて下さった奴隷
名です。なんという素晴らしい
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しかも音の響きも可愛らしい。
ビールが大好物の僕にピッタリ!
とても気に入っています(*^o^*)
馬派(苦痛)・犬派(奉仕)・豚派
(便器)全てのM性癖を持ち合わ
せたオールラウンダーな変態を
目指しています。

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