あるいは巨尻でいっぱいの本
多忙の為、残念ながらヴァニラ画廊で開催中の「春川ナミオ展」には行けそうにない僕ですが…
「マゾヒズムに花束を!」の一日遅れのエープリールフールには、すっかり騙されて、「すわ、これは一大事! 早急に画集を入手しなければ完売してしまうかもしれない!!」と慌ててネットで注文した本が手元に届きました ^ ^
THE INCREDIBLE FEMDOM ART of NAMIO HARUKAWA 春川ナミオ画集 ドミナの玉座、あるいは顔面騎乗主義者の愉楽
勝手に、薄手で大判の画集をイメージしていたら、なんと300ページもの分厚さ! SM誌と同じA5版サイズながらイラストは1ページにつき1点のみ、全285点収録というボリューム。 カラーページ満載。 カバーの折り返しや裏面にも仕掛けありという贅沢な仕様。
濃密で、きめ細やかなモノクロームの引き締まった画面。 SMコレクターやSM奇譚などのグラビアで馴染んだ懐かしい二色刷りの色合い。 春川作品にはこのサイズとこのカラーがよく似合います。
鉛筆の描線を丁寧に執拗なまでに何度も重ねて表現した、美しい女体のフォルムと圧倒的な重量感。 唇や乳首、衣装の花柄やハイヒールなどのポイントに淡い朱色をあしらう事で女性の高貴な美しさや品格、フェミニンな雰囲気や清潔感を際立たせている。
色を多用した4色刷りでは、けっしてあの独特な世界観は表現できないのではないかと思います。
仄暗い密室で、あるいは人気のない屋外で、女と男の異端の秘め事は夜毎繰り返される。
豊満な双臀の谷間や股間の繁みに顔を埋め、女体宇宙を彷徨いながら悟りを開いたであろう男たちの潔さ。
目を閉じて慈しむような笑みを浮かべながら男達を圧殺し、優雅に煙草を燻らせる女神達の偉大さ。
エロスとタナトスの融合。 生と死を行き来する快楽の極致。
60年もの長きに渡って、ひたすら“顔面騎乗”だけを描き続けた孤高の絵師の仕事ぶりにはただただ圧倒されます。
いつか死する瞬間が来たならば、この作品群の中の幸福な男達の様に、偉大なる女体の二つの膨らみに包み込まれ、同化して最期を迎えたい。 そんな思いにさせてくれる1冊でありました。
あまりに本の出来栄えが素晴らしかったので、未購入だった「絵物語 ドミナの園」もついでにポチり、過去の著作の古書価格まで調べていました。
春川画伯のサイン入りが欲しかったので、エディシオン・トレヴィル社の直販を利用した訳ですが、宅配便のお知らせメールや荷物の品名欄に「春川ナミオ画集」と記載されていたのにはちょっと驚きました。 立派なお尻の持ち主のうら若き女性ドライバーさん(←マジです)から荷物を受け取る際には、よからぬ妄想をしてしまった。
「ふぅん…お客さん、こういう趣味があるんだぁ…じゃあ、今度私のお尻に敷いてあげましょうか?」
「えっ!? お…お願いしまひゅ(>_<)」
いまや世界中のマニアや著名人らに愛され、あのマドンナの一推しアーティストでもあるという。
願わくは、いつか美術の教科書に採用され、思春期の女性達の間に「男の顔はお尻に敷くもの」と言う価値観が浸透してくれればいい。
お尻に敷かれて死ねたら本望!
顔騎道と云ふは死ぬ事と見つけたり
春川ナミオを観ずして顔面騎乗を語るなかれ
春川ナミオバンザーーーイ‼︎‼︎