赤いハイヒールの眩惑
ホテルの薄汚れた床に正座させられ、太腿をハイヒールの踵でグリグリと抉られ、思わず短い悲鳴をあげて前屈みになった瞬間、髪を掴まれて思い切り頬をビンタされた。
赤いハイヒールの主は、僕よりも一回り以上は若そうな可愛らしい暴君だ。
苦痛に顔を歪めて彼女を仰ぎ見ると、さらに容赦のないビンタが二度三度と襲う。
「なに?奴隷の癖にその反抗的な目は!?」
反抗的な目をしたつもりはないのだが、女王様の仰る事は絶対だ。
「も…申し訳ございません、女王様…」
頭を床に擦り付けて太腿に目をやると、スタンプを押した様に点々とヒールの痕がついていた。 我がペニスは硬直し、先端にはすでに透明な液体が滲んでいる。
女王様はお定まりの様に僕の後頭部を踏みつける。 床におでこを擦り付ける程度ではまだまだ頭が高いのだ。 顔面を床に密着させて這いつくばる勢いでないとお許しは頂けない。
”今日は中々いい感じの女王様に当たったな…”と僕は心の中で呟いた。
赤いハイヒールをお召になっている女王様を見たのは、その時が初めてだった。 それまで数多の女王様にお相手して頂いたが、ほとんどの方が黒のハイヒールか黒革のブーツだったのだ。
赤色は好きな色だ。
なぜならレストルームのピクトグラムやランドセル等の色分けに象徴されるように、赤やピンクは女性の象徴の様な色だからだ。 最近はそうでも無いのかもしれないが、少なくとも昭和世代にはそういう刷り込みがあるように思う。
そして赤いハイヒール、赤いマニュキア、 赤いルージュ、赤いランジェリー…赤という色はなぜこうもエロティックで扇情的なのだろうか?
街中で赤色を身に付けている女性を見ると心が躍る。
赤いハイヒールの女王様は、予め用意してあったバスチェアの上にペニスを乗せるようにお命じになる。
やや腰を浮かせ、開いた両膝でバスチェアを挟むようにしてその上にいきり立ったペニスを載せると、女王様はそれを靴の先端で当たり前の様に踏みにじった。 僕は呻き声を上げながら女王様の柔らかな美脚に頬を擦り寄せた。
また叩かれるかな?と思ったが、女王様は気に止められる様子もなく僕のペニスをギリギリと踏みにじる。 透明な液体がナメクジが這った跡の様にバスチェアの座面を汚す。
僕は無意識のうちに甘えたような声を漏らしながら「ああ、永遠にこの幸せな時間が続けばいいのに…」と願った。
赤いハイヒールの記憶は鮮烈だった。
僕の記憶が間違っていなければ、赤いハイヒールをお召になった女王様と遭遇したのは、彼女が最初で最後だったように思う。
多くのマゾヒスト諸氏がそうであるように、ハイヒールは僕にとって女性の象徴であり魅惑的なアイテムである。
しかし、普段あまり高い踵の靴を履きなれていない女王様に、長時間それを履き続けて頂くのは酷であり、どちらがSなのかわからなくなってしまう。 僕の場合、毎回3時間以上のロングコースにお付き合い頂くことが多かったので尚更だ。
しかし、だからと言ってスニーカーやホテルのスリッパ履きでは興醒めだ。我がペニスも萎えてしまう。
やはりSMにはアイテムが重要なのだ。 踵の高くない普段ばきのパンプスも用意しておいて頂いてお疲れになったら履き替えて頂くのがベストなのだろう。
ハイヒールは中世ヨーロッパにおいて、路上に撒き散らされたふん尿からスカートの裾を守る為に考案されたのが起源だという。 靴底も踵も常に汚物を踏み付けていたのだ。
そうだとすれば、女王様のハイヒールは奴隷を踏みつける為に存在すると言ってもあながち間違ってはいないだろう。
10数年前だったと思うが、某バンドメンバーや某お笑いタレントがハイヒールに足を踏まれて骨折し、救急車で運ばれるという出来事があった。 ネットニュースを観て、満員電車内でハイヒールの女性に足を踏まれた経験を持つ男達が沢山の非難コメントを寄せていた。
ハイヒールを履いた女性は危険な凶器を身に付けているのだ。
その凶器に、自らの身体を差し出して踏んで欲しいと願うM男達は異端者であろう。
僕も何度か、ハイヒールで腹から胸にかけて乗られた経験がある。 激痛に耐えきれず思わず女王様の足首を掴んでしまい、女王様の逆鱗に触れた事もあった。
素足で乗られても苦しいのである。 体重がピンポイントにかかるハイヒールで、生身の上を移動されたら耐えられないのは当然かもしれない。
自らカーペットや床になりたいと願いながら、それらにはなれないと絶望した。
マゾヒズムは時に妄想が先行して、なんでもできる様な気になるが、いざ実践してみると現実とのギャップを思い知る事がある。 1本鞭や人間便器も妄想の中ではいくらでも受け入れられると思っていたのだが、そんなに甘いものではなかった。
ヤプーズ0号氏はSMクラブに通って、黄金を食す修行をしていた時期があったという。
その成果であのような大量の黄金を受け入れられる体質になったのだ。 人間、いや家畜人は何事も努力かもしれない。
上のポスターは妖怪書家を名乗る逢香さんの作品である。 僕は妖怪や怪異な物が好きなので、この方に注目している。
ミス奈良にも選ばれた事のある美女である。
巨大な赤いハイヒールが目を引くが、踏み潰されているのは魑魅魍魎達だ。
作品のタイトルは「女って怖い」である。
膝まづいてこう申し上げたい。
「はい、それはとてもよく存じ上げております」…
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