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赤いハイヒールの眩惑

  
 
 ホテルの薄汚れた床に正座させられ、太腿をハイヒールの踵でグリグリと抉られ、思わず短い悲鳴をあげて前屈みになった瞬間、髪を掴まれて思い切り頬をビンタされた。

 赤いハイヒールの主は、僕よりも一回り以上は若そうな可愛らしい暴君だ。
苦痛に顔を歪めて彼女を仰ぎ見ると、さらに容赦のないビンタが二度三度と襲う。

 「なに?奴隷の癖にその反抗的な目は!?」

 反抗的な目をしたつもりはないのだが、女王様の仰る事は絶対だ。

 「も…申し訳ございません、女王様…」
 
 頭を床に擦り付けて太腿に目をやると、スタンプを押した様に点々とヒールの痕がついていた。 我がペニスは硬直し、先端にはすでに透明な液体が滲んでいる。

 女王様はお定まりの様に僕の後頭部を踏みつける。 床におでこを擦り付ける程度ではまだまだ頭が高いのだ。  顔面を床に密着させて這いつくばる勢いでないとお許しは頂けない。

 ”今日は中々いい感じの女王様に当たったな…”と僕は心の中で呟いた。

 赤いハイヒールをお召になっている女王様を見たのは、その時が初めてだった。 それまで数多の女王様にお相手して頂いたが、ほとんどの方が黒のハイヒールか黒革のブーツだったのだ。

 赤色は好きな色だ。

 なぜならレストルームのピクトグラムやランドセル等の色分けに象徴されるように、赤やピンクは女性の象徴の様な色だからだ。 最近はそうでも無いのかもしれないが、少なくとも昭和世代にはそういう刷り込みがあるように思う。

 そして赤いハイヒール、赤いマニュキア、 赤いルージュ、赤いランジェリー…赤という色はなぜこうもエロティックで扇情的なのだろうか?

 街中で赤色を身に付けている女性を見ると心が躍る。

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 赤いハイヒールの女王様は、予め用意してあったバスチェアの上にペニスを乗せるようにお命じになる。

 やや腰を浮かせ、開いた両膝でバスチェアを挟むようにしてその上にいきり立ったペニスを載せると、女王様はそれを靴の先端で当たり前の様に踏みにじった。 僕は呻き声を上げながら女王様の柔らかな美脚に頬を擦り寄せた。

 また叩かれるかな?と思ったが、女王様は気に止められる様子もなく僕のペニスをギリギリと踏みにじる。 透明な液体がナメクジが這った跡の様にバスチェアの座面を汚す。

 僕は無意識のうちに甘えたような声を漏らしながら「ああ、永遠にこの幸せな時間が続けばいいのに…」と願った。

 赤いハイヒールの記憶は鮮烈だった。

 僕の記憶が間違っていなければ、赤いハイヒールをお召になった女王様と遭遇したのは、彼女が最初で最後だったように思う。

 多くのマゾヒスト諸氏がそうであるように、ハイヒールは僕にとって女性の象徴であり魅惑的なアイテムである。

 しかし、普段あまり高い踵の靴を履きなれていない女王様に、長時間それを履き続けて頂くのは酷であり、どちらがSなのかわからなくなってしまう。 僕の場合、毎回3時間以上のロングコースにお付き合い頂くことが多かったので尚更だ。

 しかし、だからと言ってスニーカーやホテルのスリッパ履きでは興醒めだ。我がペニスも萎えてしまう。
やはりSMにはアイテムが重要なのだ。 踵の高くない普段ばきのパンプスも用意しておいて頂いてお疲れになったら履き替えて頂くのがベストなのだろう。

 ハイヒールは中世ヨーロッパにおいて、路上に撒き散らされたふん尿からスカートの裾を守る為に考案されたのが起源だという。 靴底も踵も常に汚物を踏み付けていたのだ。

 そうだとすれば、女王様のハイヒールは奴隷を踏みつける為に存在すると言ってもあながち間違ってはいないだろう。

 10数年前だったと思うが、某バンドメンバーや某お笑いタレントがハイヒールに足を踏まれて骨折し、救急車で運ばれるという出来事があった。 ネットニュースを観て、満員電車内でハイヒールの女性に足を踏まれた経験を持つ男達が沢山の非難コメントを寄せていた。

 ハイヒールを履いた女性は危険な凶器を身に付けているのだ。

 その凶器に、自らの身体を差し出して踏んで欲しいと願うM男達は異端者であろう。

 僕も何度か、ハイヒールで腹から胸にかけて乗られた経験がある。 激痛に耐えきれず思わず女王様の足首を掴んでしまい、女王様の逆鱗に触れた事もあった。

 素足で乗られても苦しいのである。 体重がピンポイントにかかるハイヒールで、生身の上を移動されたら耐えられないのは当然かもしれない。

 自らカーペットや床になりたいと願いながら、それらにはなれないと絶望した。

 マゾヒズムは時に妄想が先行して、なんでもできる様な気になるが、いざ実践してみると現実とのギャップを思い知る事がある。 1本鞭や人間便器も妄想の中ではいくらでも受け入れられると思っていたのだが、そんなに甘いものではなかった。

 ヤプーズ0号氏はSMクラブに通って、黄金を食す修行をしていた時期があったという。

 その成果であのような大量の黄金を受け入れられる体質になったのだ。 人間、いや家畜人は何事も努力かもしれない。



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 上のポスターは妖怪書家を名乗る逢香さんの作品である。 僕は妖怪や怪異な物が好きなので、この方に注目している。
ミス奈良にも選ばれた事のある美女である。

 巨大な赤いハイヒールが目を引くが、踏み潰されているのは魑魅魍魎達だ。
  
 作品のタイトルは「女って怖い」である。
 
 膝まづいてこう申し上げたい。
「はい、それはとてもよく存じ上げております」…  




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テーマ : 女王様・М男・痴女・逆レイプ・フェチ動画
ジャンル : アダルト

TANIZAKI TRIBUTE を観る(予定w)

 日本が誇る世界的文豪・谷崎潤一郎の耽美で官能的な世界を、気鋭の映画監督達がそれぞれの感性で映像化した 「TANIZAKI TRIBUTE」。 以前、このブログでも紹介した「富美子の足」、他に「神と人間との間」、「悪魔」の3作品が8月11日、夜11時5分からWOWOWで放送されるようです。

 この作品が公開された当時、当ブログで紹介した所、「富美子の足」を上映館で鑑賞した馬山人さんから映画に対する辛辣なコメントを頂きました。 僕は予告編を観ただけでしたので、映画の感想に関しては書けませんでしたが、作品の世界観さえ失われていなければ、いわゆる原作レ イプなどと揶揄される作品でも割と好意的に楽しんでしまう方なのです。 しかし、頂いたコメントはまさにその世界観をぶち壊しにしているというご指摘でした。

  「そうか、そうか、それはまた別の意味で面白そうだな…」とも考えましたが、映画が一本1800円もするご時世。 「多分、一年もしないうちにWOWOW辺りでやるんじゃなかろうか…」との希望的観測のもと、結局観るのを控えていました。

 その、心の何処かに引っかかっていた作品が、3本まとめて放映されるというのですから、これは観ない手はありません。

 コメントを下さった馬山人さんが仰っていたように、足フェチを全く理解できないと公言された監督さんが撮った異色中の異色作「富美子の足」、谷崎作品へのリスペクトはあるのか、ないのか⁉︎

 ぜひ確認させて頂きたいと思います。

 作品鑑賞後、感じる事があれば改めて記事にするかもしれませんが、多忙の為どうなるかはわからないのねんのねん。




二本の富美子の足


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マゾとフェチの融合

 S&Mスナイパーの「SM診断」をやってみました。

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 “肉体的苦痛系マゾから精神的主従系マゾにシフトし始めている”と自己分析していたら、結果はなんとフェチだったでござる。

 確かに僕自身、フェチ的な要素を沢山持っている事は自覚しています。

 女性の身体的特徴に関して言えば、髪フェチ、髪から覗く耳フェチ、大きな眼フェチ、膨らむ小鼻フェチ、ややめくれ上がった唇フェチ、腋フェチ、低身長フェチ、豊臀フェチ、しなやかな指先フェチ、脚フェチ、足フェチetc…

 そして何よりも女性器に対する異常なる執着と偏愛。

 通常は女性器に対して性的興奮を覚えるのは当然の事であり、それをフェティシズムとは呼びませんが、僕の場合は挿入欲がなく、ただただ崇敬の念を抱き、跪いていたいと願っている所がアブノーマルだと思われます。

 女性器へ崇拝と畏怖は、僕のマゾヒズムと密接に繋がっている気がするのです。

 最近、女性を不浄なものとして、救命行動中の女性看護師に対し、土俵上から降りるように促した日本相撲協会が非難を浴びていましたが、どう考えても“不浄で醜く下等な存在”は男の方だと思います。

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 物品に関しては、好きな女性が愛用した物や製作した物、身に着けた物は何でも好む傾向にあります。
特に女性が身に着けた物に関しては、僕の場合、女性の体液に対するフェティシズムが深く関わっていると思うのです。

 唾液や鼻水、汗や聖水、経血や女性器からの分泌物…これらに対しては神格化に近い崇拝の念を抱いていますから、それらが染み付いた物品を欲しがるのはごく自然なのです。

 別に隠していたわけではありませんが(笑)、僕は若い頃、JR・T駅前の雑居ビルにあった某ブルセラショップに行った事があります。 女性の使用済み下着が欲しくて、お酒が入った勢いで1人フラフラと入店したのでした。

 店内はセーラー服やブレザー、スカート、テニスウェアや体操着、水着類、その他制服の類が天井から大量に吊られ、女性特有の甘い香りを放っていました。棚にはブルマや下着、ストッキング等々が所狭しと並べられています。 

 僕のお目当のショーツは、1日履き、2日履き、3日履き…と体液の付着の度合いで価格が異なっていました。 下着はナマモノなので、長く売れ残ってカビてしまった賞味期限切れの品は、洗濯後にワゴンで安売りされていました。

 店内に置かれた女性モニター達の写真付きリストには、清楚で可愛らしい雰囲気の女性達が多数登録されていて驚きました。 ヤンキーやDQN女性の下着を欲しがる男性は、少数派なのでしょう。

 商品の下着は透明のビニールで包装され、1つ1つにモニター女性の生写真が封入されていました。 僕のタイプの女性も大勢いて食指が動きましたが、散々店内を物色しながら結局購入はしませんでした。

 理由は単純で、いくら写真付きだからと言っても、本当にその女性が着用した物かどうか確証がなかったからです。 自然な汚れを付着させる為にはある程度の時間が必要です。 しかも汚れの度合いで価格が変わってくるのならばなおさらでしょう。 よく売れる女性の写真を別の子が使用した下着に封入して、増産することも充分可能だと思えたのです。

 残念ながら当時の性産業の業界は、そうした不正やインチキがまかり通っていました。 女性が本当に身に着けた物ならまだしも、“裏物の本”などには、女性の分泌物を人工的に作って塗りつけたまがい物が出回っているような事も暴露されていました。 そのブルセラショップはマニアが推奨する有名店だったので、良心的な商品を提供していたと思いますが、それでも何も買わずに店を出てきてしまいました。

 従業員が全員男性であり、彼らの手が一度は商品に直に触れたであろうと考えると、買う気が失せてしまったというのもあります。

 僕は下着より、付着した女性の分泌物の方に性的興味があるので、どんな人が使用した物なのか?その一点に強いこだわりがあります。

 よくニュース番組で、下着泥棒が盗んだ大量の証拠物件を、警察の施設にズラッと並べてある様子が流れますが、所有者がどんな女性かもわからない、しかも洗濯された下着のどこに魅力を感じるのか、罪を犯してまで盗む気持ちが僕には理解できません。

 同じように、男女共用トイレの汚物入れから使用済みの生理用品を持ち帰って収集するマニアの方がいますが、僕は誰が使用したかわからない物には興味が湧きません。

 少年期に、憧れの女の子のリコーダーを舐めたという話しはよく耳にしますが、これは理解できます。 ただし、女性に対してそうした迷惑行為を働く事は、僕のポリシーに反します。

 ある時期から、モニター女性を店内に待機させて、その場で脱いだ下着を販売する新しいタイプのブルセラショップが出現するようになりましたが、これなどは僕のような疑い深い人間が大勢いるという証明だと思います。 作家や漫画家のサインなどと同様で、憧れている本人から直接頂いたものでない限り、常に贋物疑惑がつきまとうのです。

 結局、僕が女性の使用済み下着を入手したのは、それから何年も経った後、某SMサークルで知り合った素人S女性にお願いして譲って頂いたのが最初でした。 一枚3千円程で何回か譲って頂いたと記憶しています。

 若い頃の僕は純情で、SMクラブの女王様に「今履いているショーツを譲って下さい」などと、そんな大胆で恥ずかしい事は頼めなかったのです。

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 まだご主人様がSMクラブに在籍していらっしゃった頃の事。

 プレイ中に唾液を大量にコップに貯めて頂いて、それを咀嚼したパンやチョコレートの上にシロップのようにかけた物を餌として戴いていました。

 その時使用したホテルの備品のガラス製のコップを、ティッシュに包んで大事に持ち帰った事があります。 コップの表面にうっすらと泡状に乾燥したご主人様の唾液の痕跡が、今も当時の状態のまま残っています。

 それが、僕がご主人様のご使用になられた品々を蒐集するキッカケとなりました。

 ご主人様は、ホテルにお忘れ物をして帰られる事が多かったので、その時の品が数点手元にあります。 

 私物と思われる、派遣会社のロゴが入ったボールペン。 ご主人様の女王様以外のお顔が垣間見れた一品でした。

 リップクリームは次にお会いした時にお返ししようと思って保管していましたが、ご不要との事でしたので頂戴しました。
変態が一度手にした物なので、口や性器などを付けていないかご不安だったのでしょう。 しかし、誓って申し上げますが、僕は女性の所有物に性的な悪戯をした事は一度もありません。

 そしてプレイにご使用された歯ブラシ。
咀嚼プレイの後、歯を磨いてご主人様のお口でクチュクチュしたお水を、僕の口中に吐き出して頂いていたのですが、その時の歯ブラシを一本だけ持ち帰って保存しています。

 ベッドに落ちていた毛髪は、ご主人様のご許可を頂いてから、これも大切にティッシュに包んで持ち帰りました。

 奴隷にして頂いてからは、ご主人様にお願いをして、使用済みのショーツやブラジャー、パンティストッキング、Tシャツ、スニーカー、ボンデージ衣装、マスク、生理用品、パンティライナー等々をお譲り頂きました。 使い捨ての物以外は、新しい品を購入して差し上げる代わりに、ご不要になった古い方を頂くという条件です。 もちろん全てご主人様に着用して頂いた後、未洗濯のままでお譲り頂いたプライスレスな品々です。

 マニアの中には、女性の使用済み下着を舐めたり、被ったり、自分で履いてオナニーしたりする人もいるようですが、僕はそういう事は一切しません。 せいぜい鼻を近づけて香りを嗅ぐ程度で、あとはジップロックに封入して大切に保管し、時たま出してみては鑑賞して楽しむくらいです。

 それ以外に僕が最も大切にしているのは、ご主人様が直筆で書いて下さった奴隷契約書と妖怪ウォッチのイラストです。 

 以前、僕がパソコンで作った奴隷契約書は、僕自身が契約条項に違反した為、一度破棄し、新たにご主人様自ら作って下さった物です。 しっかりとしたお奇麗な字で、一条一条丁寧に、ご主人様のお言葉で書いて下さった契約書は、僕がパソコンで作った物とは全く重みが違います。

 イラストの方も、一度下描きをされた上でサインペンを使って輪郭線を描かれ、色鉛筆で丁寧に着色して仕上げて下さいました。
なにより、ご主人様が奴隷の為に、わざわざ貴重なお時間を割いて製作して下さった心のこもった品であり、僕の宝物です。

 その他、ご主人様のご聖水をペットボトルに入れて持ち帰り、自宅の冷凍庫で凍らせて保存していた事もあります。
製氷皿で凍らせて、最終的にはウィスキーを飲む際に使用させて頂いたのですが、ほんのりと聖水が香る極上のお酒が出来上がるのです。 ここまでくるとかなり高度なフェチかもしれません。

 ご主人様から戴いたこれらの貴重な品々は、プラスチックのケースにまとめて厳重に保管してあります。

 僕にとってご主人様は美しくて気高く尊い存在。 そんなご主人様のご使用になられた物は全て僕の崇拝の対象です。 不浄な存在の僕がそれらに直接触れて汚すのは恐れ多いので、ティッシュ越しに摘んだりビニールの手袋をしてから触るようにしています。

 スクビズムによってご主人様を神格化し、身体的な特徴はもちろんの事、ご愛用の品々も崇拝の対象とさせて頂いています。

 こうした事からも、僕のフェティシズムはけっして物品に対するものではなく、それらの使用者に向けられたものある事がわかります。

 要するに今の僕は“ご主人様フェチ”なのです。

 それは“この方にだったら、厳しい鞭を受けても耐えられる”だとか、“この方にだったら下僕のように扱われても構わない”というマゾヒズム的な思考に通じるものがあると思います。

 
 谷崎潤一郎の「青塚氏の話」という作品に、憧れの女優の身体的特徴のデータを詳細に集め、彼女の精巧な等身大の人形を作ると言う話がありますが…

 僕の夢は、ご主人様そっくりのラブドールを特注し、それにご主人様の魂を吹き込んで頂き、ご主人様がご使用になられた衣装や鞭を着け、その美しい分身の前に毎日ひれ伏し、拝み、妄想する事なのです。

 これが僕にとって究極のフェティシズムだと考えていますが、何か問題ありましたでしょうか?


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真夏のフェチごと

 僕は四季の中では、が最も好きです。

 ゆらゆらと立ち昇る陽炎の揺らめきの向こう側に、たまらなくノスタルジーを掻き立てる情景がある…

 眩い日差し。

 校庭に響き渡る生徒達の掛け声。 教室内の喧騒。
 それすらもかき消す、けたたましい蝉の鳴き声。

 陽光に映える真っ白なブラウス越しに、女子生徒達の身体のラインや下着が透けて見える。

 薄っすらと生えた若い産毛を押しのけるように、毛穴から噴き出す汗、汗、汗…
 汗染みが拡がった半袖の奥にちらりと覗く、無造作な腋毛の処理に、彼女達の蒼さが眩しく光る。

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 窓を開け放った教室の中。
 パタパタと下敷きで扇ぐ隣の席の子の首筋辺りから、仄かに鼻孔を擽る女の香りが漂ってきた。

 僕は彼女に気取られないように、静かに、ゆっくりと肺いっぱいに、それを吸い込んでみる。
 彼女の横顔がとても美しい事にその時、初めて気がついた。

 素足に突っかける上履き。 
 踵は潰れ、皮脂の汚れで黒光りするインソール。

 いつも膝小僧にカサブタを作っていた脚が、いつの間にか美しいラインを描き、つややかに輝いている。

 心と身体のアンバランスさが心地よい。

 放課後、あの校内一の美少女が、外履きに履き替える刹那、子犬となった僕はそれを奪い取り、咥えたままでグラウンドをかけ去ろう…

 思考回路が停止するような猛暑の中、僕の心はそんな妄想でウキウキと弾んでいたのだ。

 夏が来るたびにそんな甘酸っぱい情景が思い起こされる…

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殺されるほど愛されたい

 
「女子高生に殺されたい」


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 このマゾヒズムをくすぐるセンセーショナルなタイトルと、物語のイントロダクションに惹かれ、初めて古屋兎丸作品を入手しました。

 古屋兎丸は、異色の作家を数多く輩出した伝説の漫画雑誌「月刊漫画ガロ」出身の漫画家です。

 僕は、彼の描く緻密な線と精密な描写、やや影のあるキャラクターと耽美な作風にずっと好感を持っていましたが、これまで掲載誌に目を通した事はあっても、コミックスまで買った事はありませんでした。

 今年に入ってネットでこの作品の存在を知り、すぐに第1巻を購入。 スリリングでミステリアスな展開に引き込まれて一気に読み終え、第2巻・完結編の刊行を心待ちにしていたのでした。(8月発売、読了)

 この作品の主人公・東山春人は“自分が殺されることに性的興奮を覚える“オートアサシノフィリア”という性的嗜好の持ち主です。

 彼は、可憐で美しい女子高生・佐々木真帆に殺されたいが為に、彼女の通う高校の教師になりました。 綿密な計画と周到な準備のもとで真帆に近づき、長年の夢の実現に向けて行動を開始します。

 そして真帆もまた、悪夢のような忌まわしい過去を封印し、その美貌の奥にもう一つ別の顔を隠し持った闇深き美少女だったのです。

 この作品はどちらかと言えばサイコサスペンスのような趣きがあり、マゾヒズムとの関連はあまりありませんでしたが、それでも僕にとって充分に楽しめる内容でした。

 ラストもやや使い古された手法ではありますが、ハッピーエンドを装いつつ、不気味な余韻を残しています。

 
 
 僕には本来、死に対する憧憬や願望はありません。

 若い頃から不摂生を重ねてきたおかげで身体はボロボロですが、生への執着心は人一倍強く、健康で長生きをしたいと虫のいい事を考えています。

 この身が朽ち果てるまで、ご主人様の奴隷としてお仕えし、マゾヒズムを全うしたいのです。

 しかしオートアサシノフィリアは、僕の中にもマゾヒズムの一部として内在しています。

 病いや不慮の事故などで非業の死を遂げるよりは、むしろ美女に殺されたいという思いがあるのです。

 SMクラブのストーリープレイで毎回持ち込んでいたシナリオは、“女性から様々な拷問を受け、最期は去勢されて殺される”という内容がデフォでした。

 女性の足元にすがり、泣きながら命乞いをするというシチュエーションに萌えるのです。

 Mビデオでよく使われる、 “処刑”“不要家畜の処分”などという言葉にも心がトキメキます。

 下記の引用は、沼正三のエッセイ集「ある夢想家の手帳から(潮出版社)」 の中で紹介された、とあるマゾヒストの告白文とされる一文です。

 「私は本年二十四歳の男子ですが、少年の頃より、異常なるマゾヒズムスにて、年若き美婦人の為に、惨酷なる嬲り殺しにせられることを希望して居ります。 又美婦人の身に附いている庶物を崇拝し、痰や鼻汁ぐらいは微々たるもの、尿水をのみ、糞便を 食べてみたいと日夜希ふて居ります。 身分高く、年若き美婦人の奴隷となり、その御方の糞尿を常食とし、酷使せられ、又玩弄物となって、恥辱を与へて貰ひ、又出来得る限り、惨酷なる嬲り殺しにせられた上、肉を料理されて喰べて貰ひ度きことを、いまでも希望して止みません(略)」

 僕は、この短い文章の中に書かれた多数の性的嗜好を全て備えています。

 マゾヒズム、アルゴフィリア(肉体的苦痛性愛)、フェティシズム(物神崇拝)、ハイグロフィリア(分泌液愛好)、ウロフィリア(尿性愛)、コプロフィリア(嗜糞症)、オートアサシノフィリア(殺されたい願望)、カニバリズム(食べられたい願望)、セルヴェリズム(奴隷願望)、家畜、ペット願望 等々…

 脚本家の山田太一氏は、著書「昼下りの悪魔」 の中でこの文章を引用して「いかに私のマゾ的な要素をはげましてみても共感の域を越えている。」 と評していましたが、僕には、常人には理解できないこの若きマゾヒストの気持ちが痛いほどよくわかります。

 オートアサシノフィリアやカニバリズムは、実際には実現不可能な妄想でしかありません。

 しかしタブーであるからこそ、そこにとてもマゾヒスティックな魅力を感じます。

 
 現実には、女性が男性を殺害するケースは、男性の場合と比べて圧倒的に少ないです。

 また、日本では美女が犯した殺人事件というのは、過去を遡ってみてもほとんど思い当たりません。

 美しい女性はむしろ、幼稚で粗暴で性欲の塊のような男たちにストーキングされた挙句、殺人の被害者側となるケースの方が圧倒的に多いのです。

 ただ、日本を代表する猟奇殺人事件の犯人として、今もなお語り継がれる阿部定は、当時は、なかなかの器量良しという評価を得ていたようです。

 性行為中に首を締められる事を好んだとされる愛人・吉蔵を絞殺し、その後、局部を切り取って持ち去った阿部定事件は、SM的な観点から見ても非常に興味深い犯罪だと思います。

 
 僕は、ご主人様のような美しい女性に強く惹かれはしますが、女性に対して差別的なほどのルッキストではありません。 年齢や容姿に関わらず、女性を尊重しています。

 ただし、もし自分が殺されるのだとしたら、お相手は美女である事が大前提となります。

 林真◯美死刑囚や木嶋◯苗死刑囚のような、好みでない女性には間違っても殺されたくはありません。

 一つしかない生命を捧げるのですから、そのくらいの選択権は許されてもいいのではないでしょうか。

 
 また、「女子高生に殺されたい」にも描かれていましたが、殺され方にもこだわりたいところです。

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 女性に殺される話というと、すぐに乱歩の「お勢登場」を思い出します。

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 池上遼一がコミカライズした、妖艶な悪妻・お勢は“魔性の女”として魅力的に描かれてはいましたが、長持ちに閉じ込められて暗闇の中、苦悶しながら果てるのはご勘弁願いたいです。 同様の理由でTVドラマ「古畑任三郎」に登場した小石川ちなみのマーダーケースも頂けません。

 若き日の中森明菜が演じた女流漫画家は、アンニュイな雰囲気を漂わせた十分魅力的な女性でしたが、僕は閉所恐怖症なので、密閉された空間に閉じ込められて窒息死や衰弱死をするのはまっぴらです。

 おそらく死を迎える前に、恐怖で発狂してしまうのではないかと思われます。

 彼女たちは殺意を持って、鍵のかかる長持ちの蓋や地下倉庫のドアを閉じただけです。

 いくら相手が美女だとしても、性的興奮を全く感じる事ができない、非常につまらない殺され方だと思います。

 やはり、オートアサシノフィリアは死の寸前に生命と引き換えに味わう性的興奮が最も重要なのです。

 
 同じ窒息死をするのならば、僕は顔面騎乗による圧殺を希望します。

 本心を言えば、ご主人様のフルフルと柔らかくて吸い付くような美尻の下で、なぶり殺しにされたいです。

 意地悪く焦らされながら、何度も何度も窒息寸前に追い込まれては、わずかばかりの呼吸を許されます。
僕の中心で、はち切れんばかりに硬化したマゾヒズムの申し子を、柔らかなおみ足の裏で弄ばれるご主人様。

 ご主人様の全体重を受け止めた僕の顔面は大きくひしゃげ、ミシミシと頭蓋骨が軋む音が聞こえます。  崇拝する女神の、悪魔のような笑い声をレクイエム代わりに、徐々に意識が遠のいていく様を想像すると、マゾヒストとしてこれ以上はない最期のような気がします。

 末期の水は、ご聖水をタップリと浴びせられて成仏したいです。

 
 春川ナミオ画伯のfemdomアートにも、巨女の顔面騎乗による死刑執行シーンが描かれています。

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 若い女性のお尻こそがこの世で最も美しく尊いもの。 その崇高な存在の前には、男の生命など虫けらのそれも同然なのでしょう。

 僕は春川氏もまた、オートアサシノフィリアの性癖を有しているのではないかと疑っています。

 いや、おそらくはマゾヒスト男性の誰もが、心の奥底に“美女に殺されたい願望”を秘めているのではないでしょうか?



 昨年、ご主人様が、あるS女性のインタビューにお応えしている場に立会わせて頂き、拝聴する機会に恵まれました。

 その中で、S女性の「SMプレイをしている最中、相手に殺意が湧く事はありますか?」という問いに、ご主人様は「もし、その人の事が世界で一番好きだったら殺したいと思うかもしれない」とお答えになっていました。

 阿部定は逮捕後、「彼を殺せば他のどんな女性も二度と彼に決して触ることができないと思い、彼を殺した…」「いつも彼の側にいるためにそれ(局部)を持っていきたかった」と供述したそうです。

 アセクシャルを自認するご主人様が、殺したいほど愛する人っていったいどんな方なのだろう?

 男性だろうか? あるいは女性なのか⁉︎

 その殺意の根底にあるものは独占欲なのでしょうか? あるいは支配欲によるものなのか…

 いずれにしても相手は僕じゃない事だけは確かなので、羨望の思いで聞いていました。

 しかし、その後のインタビューで語られたご主人様の究極のS願望が“マゾの身体をメスで斬り刻む事”だと知って、 僕じゃなくてよかったとホッと胸を撫で下ろしたのも正直な気持ちです。σ(^_^;)

 
 「命を奪われたいと願うこと、それは愛されたいと願うことと同じなの」

 これは「女子高生に殺されたい」と願う春人の元恋人で同僚の、スクールカウンセラー・深川五月のセリフです。 彼女は臨床心理士の資格を持っているという設定なので、おそらく、このセリフの内容は真実なのでしょう。

 春人は真帆から慕われ、淡い恋心を抱かれていました。 そして、元恋人の五月からも、今も愛されていた。
彼は強い希死念慮に支配され、人から愛されていることを感じる能力が欠如していたようです。
 

 僕はご主人様との奴隷契約において、“見返りを求めない愛を捧げる”誓いを立てましたが、心のどこかでご主人様に愛されたいと願っていたのでしょうか?

 昨年、ご主人様との関係性に思い悩んでいた時、ご主人様から「私の愛を、けっして疑わないでね!」というメッセージを頂きました。

 僕は、ご主人様に対して一方的に愛を捧げているつもりでいましたが、ご主人様からも奴隷として充分過ぎる愛情を頂いていたのです。 そんな事にすら、思いが至らなかった自分は奴隷失格です…


 究極のマゾヒズムが「生物として、愛する人に生命を奪われる事」だとするならば、究極のサディズムは「相手の生命をも支配する事」なのかもしれません。

 僕は、心の奥底でご主人様に“殺されるほど愛されたい”と願いつつ、同時に、ご主人様の奴隷として悠久の時を過ごしたい、生まれ変わって、何度でもご主人様のお足元でお仕えしたいと願っているのです。




「女子高生に殺されたい」は、こちらで試し読みが出来ます。



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奴隷の味

 お正月にWOWOWで、映画「娚(おとこ)の一生」を放送していたので観てみました。
昨年のバレンタインデーに劇場公開され、豊川悦司足キスシーンで話題になったあの作品です。

 累計150万部を売り上げた人気コミックの実写化という事ですが、僕は原作を読んだ事はありません。 この作品はあの足キスのスチール写真やポスターによって初めて知りました。

 主演の榮倉奈々さんに関しては「セブンティーン」のモデル時代から知っていましたが、これまで特に興味はありませんでした。 しかしこの映画を観て、魅力的でいい女優さんだったんだなと改めて気づかされました。

 不倫の恋や都会の喧騒に疲れ果てたキャリアウーマンのつぐみ(榮倉奈々)は、田舎の祖母の家で長期休暇を過ごしていました。 入院中だった祖母が突然亡くなって、慌ただしく葬儀を終えた翌日、離れに見知らぬ中年男性が移り住んできます。 つぐみに好意を持ったという彼は、かつての祖母の教え子で独身の大学教授海江田(豊川悦司)という男でした。 彼は祖母に想いを寄せ、生前 離れの鍵を貰っていたと言うのです。 在宅勤務に切り替えたつぐみは、そのまま海江田と奇妙な同居生活を始めます。 つぐみは最初、無遠慮で厚かましい中年男に戸惑いを抱いていましたが、次第に彼に心を開き始めます。
 

 そして例の足キスシーンへと繋がっていくわけです。
時間にして1分半程でしたが、海江田はつぐみの足指を一本ずつ口に含み、丁寧に舐めあげていきます。
その様子を直視しながら黙って身を任せているつぐみ。 しだいに彼女は目を閉じ、愉悦の表情を浮かべるようになります。

 やがて場面が変わり、陽が落ちた窓外を眺めながらタバコをくゆらせる海江田、ベッドの上で全裸でうつ伏せているつぐみ。 すでに2人の間に濃厚な時間が流れたことが分かります。

 ここはつぐみが初めて海江田の愛を受け入れた重要なシーンですが、ある意味ベッドシーンを描くよりもずっと官能的で、耽美的な文学のような味わいがありました。

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 ネットで拾った原作の足キスと比べるとかなり印象が異なり、映画の方は足舐めと言った方がピッタリくる感じです。 監督曰く「普通はやらない。海江田は不器用なゆえに、そういう行為に出ちゃった…」との事でしたので、これが海江田にとって必然的な愛情表現だったのでしょう。

 公開時の舞台挨拶では足を模った巨大なバレンタインチョコを用意するなど、製作サイドは明らかに話題性を狙っていた事が分かります。

 榮倉奈々は「恥ずかしくて試写ではそのシーンは目を逸らしてしまって観てないです」と振り返り、トヨエツは「僕自身はノーマルな方なので撮影はドキドキしました」と語っていましたが、やはり一般的に足舐めはいまだアブノーマルであり、だからこそこれだけ話題になったのでしょう。

 この作品自体は大人向けのラブストーリーで、観賞後も爽やかな余韻が残る悪くない映画でした。

 50代の中年男性が若い女性との恋愛を成就させる。 今は枯れ専女子という言葉もあるくらいなので枯れ始めたオヤジ達にも希望を与えてくれます。

 ただ、マゾヒスト的に観るべきシーンは話題になった足舐めシーンと、つぐみが海江田の背後から思い切り足蹴りを食らわせ、彼がもんどり打って床を転げるシーンの2カ所くらいでしょうか。  また全編に渡って精神的なマゾヒズム要素は全くありませんので、そういったものを期待して観るとガッカリすると思います。


 僕はマゾヒストのご多聞に漏れず、女性の足を舐めるのが好きです。 いや、舐めさせられるのが好きと言ったほうがいいかもしれません。 そこには女性側の強制的な意思が働いていて欲しいという願望があります。

 「跪いて足をお舐め!」…というドミナのご命令のもと、隷従の証として足を舐めたいのです。
両手でおみ足をうやうやしく支え、指先を口に含み、指股に舌を挿し入れる様子を冷ややかな視線で見下ろしていて欲しい。

 もちろん足を舐めるというマゾヒズム的な行為に興奮するわけですが、同時にフェティシズムの五感をも刺激されるのです。

 女性の足の美しい形状に見惚れ、体温や湿度を感じ、芳醇な香りを嗅ぎ、程良い酸味と塩気を味わい、舌を這わせる際の淫音に興奮するのです。

 僕は、実際には足舐めを好んでいますのでそこに屈辱感は存在しません。
しかし例え形式的なものであったとしても、ドミナに対して服従を誓うための儀式として必要だと考えています。

 僕は沼正三氏が、著書「女性上位願望」で論じたスクビズムに共感しています。
昔から足にはネガティブなイメージがつきまとっています。
僕自身はけっして女性のおみ足を不浄な物と捉えたりはしていませんし、むしろ神々しいとさえ思っていますが、足下に跪いて足を舐めるという行為は下降願望の表出だと理解しています。


 若い頃はドミナへの土下座ご挨拶等は芝居じみていて好きになれず、疎かにしてきました。 足舐めは好きでしたが、それが服従の証であるという捉え方はしていませんでした。
しかし、今は女性支配における重要な要素としてこれらを受け入れる事が出来るようになりました。
なによりこうした行為だけで性的興奮を喚起できるようになった事は、マゾヒストとして大いなる成長だと思っています。

 ところが残念な事に、ご主人様は、奴隷に足を舐めさせる事があまりお好きではないようです。
口舌奉仕全般がNGなのですが、これまで足舐めだけはかろうじてお許し頂いていました。
しかし、足舐めの終了後はすぐに洗面所に洗浄しに行かれますし、舐めている時も心ここに在らずといった感じです。 とても潔癖な方なので奴隷の舌の感触や唾液がつくのが不快なのだと思います。

 また、SMクラブにいらっしゃった時のコラムには「みんなガツガツして舐めるからくすぐったいだけで全然気持ちよくない」と書かれた事もあり、M男の舐め方もお気に召さないようでした。

 僕は今はご主人様の奴隷であって、お客さんではないのでご主人様がお嫌な事はなるべくしたくありません。

 そこでご主人様が代替案として考えて下さったのが、おみ足を洗浄したお水を飲ませて頂くという行為でした。 僕はこれが主従の盃を交わす儀式のようで、とても気に入っていました。

 ご主人様専用の洗面器に適温の水を張り、自らの手の汚れが混じらないようにゴム手袋を着けて、小さく切ったボディタオルでおみ足の隅々まで丁寧に洗い清めていきます。 

 洗浄後の水にはお履きになっていた靴下の繊維や皮脂、細かい砂粒状の汚れなどが浮遊したり沈殿しています。 
 
 僕はおみ足の洗浄が終わるとこの洗面器を両手で持ち、大盃でお神酒を頂くように一気に飲み干します。 これは視覚的にも味覚的にも大変興奮しました。

 そのうちに僕は洗浄以外にも、ご主人様のおみ足のケアをさせて頂けないだろうかと考えるようになりました。
そしてご主人様にお願いして、指股を洗浄するブラシや角質を削るヤスリなどを使わせて頂く事をお許し頂いたのです。

 僕は、敬愛するご主人様の大切なおみ足のお手入れをさせて頂く事に奴隷の喜びを感じていました。
ところがこれが思わぬ事態を招いてしまう結果になるのです。

 ケアを始めて2回目の時だったでしょうか、足裏の角質をヤスリで削り過ぎてしまい微量の出血をさせてしまいました。
その時はお許し頂きましたが、2ヶ月後位にその部分に炎症が生じて皮膚科に通院する事になってしまったのです。

 僕が余計な事をしたばかりに、ご主人様の玉体の一部を傷つけてしまい大変落ち込みました。 奴隷の卑しい身体では到底償いきれない大失態です。 当然ご主人様はご立腹で、当分おみ足に触れることを禁じられてしまいました。

 僕はもう二度とご主人様のおみ足には触れさせて頂けないかもしれない…それも自らの不注意が招いた結果なので仕方ありません。

 ところが意外にもこの失態が、僕をマゾヒストとして新たなステージへと導く事になるのです。

 次のご調教の時、ご主人様はベッドに腰掛けて目の前に跪いている奴隷に向かってこう仰いました。

「今日はお前の舐めるものがなくて口寂しいね。 それなら私の靴の裏でも舐めたらどう?」

 それは少し突き放したような響きを持って僕の耳に届きました。


 僕は予期せぬお言葉を頂いて、少し狼狽えていました。

 しかし鼻先にお脚が突き出されるとそれを大切に抱え、靴裏にゆっくりと舌先を這わせ始めたのでした。

 それは室内で履くプレイ用の靴などではなく、普段からご主人様がご愛用されている外履きの靴でした。 僕が嫌悪する男性が吐いた痰や、犬猫のふん尿が落ちていた路面を踏みつけたかもしれません。 ご主人様の靴裏は、普段僕が喜んで舐めているおみ足のように甘美な味わいは一切なく、ジャリジャリと舌に逆らう屈辱の味がしました。

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 ところがどうした事か、靴舐めの最中、僕はいつも以上に興奮している自分を感じていたのです。

 目は虚ろで呼吸が荒くなり、股間がいつも以上に反応していました。

 もしかしたらこれこそが真に隷従する者の姿ではないのか⁉︎
この被虐感こそがマゾヒズムの本質ではないのか?

 それはけっして喜んで舐められる性質の物ではなく、できることなら拒絶したい行為です。 しかし、奴隷の分際でご主人様のご命令に逆らうことは許されない。

 ご主人様の大切なおみ足を傷つけた罰を与えられているのかもしれない…

 その絶対服従の脅迫感に否応なく従う自分自身の惨めな姿が僕を興奮させたのだと思います。

 これは僕自身にとっても新しい発見でした。

 ドミナがお履きになっている靴の裏ならば、なんの抵抗もなく舐められるというマゾヒストは大勢いるでしょう。 たとえ他の奴隷が舐めたハイヒールであってもドミナが“舐めろ”と仰るなら喜んで従うと。 

 しかし歓喜して舐めるのではダメなのです。 拒絶感に抗いながら舐める事がより興奮を誘ったのだと思います。

 ですから2回3回と繰り返すうちに拒絶感が薄れ、靴裏を喜んで舐めるようになったらこの興奮は陽炎のように霧消してしまうことでしょう。

 人は慣れる動物なので、常に新しい刺激を求め続けます。

 しかしあの時、僕の脳裏にはヤラセでも演技でもない自分自身の“真の奴隷の姿”が映し出された事は間違いありません。

 僕はあの日、舌先に感じ取った“奴隷の味”を生涯忘れることはないと思うのです。

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道になりたかった男


 女性のスカートの中を覗き見る目的で側溝に潜った28歳の男が逮捕されました。

 彼には過去にも同様の逮捕歴があり「生まれ変わったら道になりたい」と供述していた事で、世間から好奇の目を向けられています。

 “生まれ変わったら道になりたい”

 
 この言葉を聞くと、なんとなく谷崎潤一郎「瘋癲老人日記」を思い起こします。

 齢77の老人督助は、息子の嫁・颯子の足を型取った仏足石を自らの墓石とする事で、死後も永遠に女性に踏まれ続けていたいと願います。

 かようにマゾヒストロマンチストなのであります。

 しかし、28歳の側溝男の場合は“女性に踏みつけられたい”というマゾヒズム的な願望ではなく“女性のスカートの中を誰にも咎められることなく心おきなく覗ける”という意味において「道になりたい」と願ったのでしょう。

 これも確かにフェティシズムには違いありませんが“女性のスカートの中を覗きたい”というノーマルな願望の比重が大半を占めているため、督助のようなロマンチシズムを感じません。

 「道になりたい」という願望には共感できますが、僕はスカートの中身よりも女性の美脚に踏み続けられることの方によりロマンを感じるのです。


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ちなみに、僕にも“なりたいもの”は沢山あります。


 園の先生(女性) 「ムギくん、大きくなったら何になりたいの? 先生にムギくんの夢を教えてくれるかな?」

 ムギ 「うん、になりたい」

 園の先生 「え?…もっと他になりたいものがあるでしょう?…」

 ムギ 「うん」

  園の先生 「それを先生に教えて」

 ムギ 「女の子が使う椅子になりたい。 座布団になりたい。 テーブルになりたい。 灰皿になりたい。 足拭きマットになりたい。 布団になりたい。 になりたい。 大切な所を覆う薄布になりたい。 生理ナプキンになりたい。 タンポンになりたい。 ティッシュペーパーになりたい。 ビデになりたい。 靴底になりたい。 インソールになりたい。 ストッキングになりたい。 便器になりたい。 汚物入れになりたい。 痰壺になりたい。 大人のおもちゃになりたい…」

 園の先生 「……物じゃなくて人間としてなりたいものはないのかなぁ?」

 ムギ 「女の子のパシリになりたい。 貢くんになりたい。 召使いになりたい。 舐め犬になりたい。 奴隷になりたい…」

 園の先生「そう。ムギくんは一杯なりたいものがあるのね^_^」


 
 

 こうした畜化願望家具化願望はマゾヒスト男性特有のもので、M女性にはあまりないような気がします。

 “男たちの肉便器になりたい”というM女性や“ご主人様のペットになりたい”というM女性はいるかもしれませんが、それとはちょっと趣が違うと思うのです。

 僕が思うに“異性に対する憧れの度合い”がM女性よりM男性の方が圧倒的に大きいのではないでしょうか。
 
 マゾ男性は、僕のように対象の神格化にまで至るケースも珍しくありません。

 僕は、わが女神様に“快適にご使用頂ける品物”や“使える奴隷”になりたいのです。


 上記のマゾヒズムにおけるフェチ願望SMクラブに足を運べば、お好みの女王様に大抵の希望は叶えて頂けると思います。

 現代はマゾ男性にとって幸福な時代です。

 ですから、女性がたにご迷惑をおかけすることのないよう、罪を犯すことなく、健全なマゾヒズムを堪能致しましょう。


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女神の覚醒・聖なる水

 お嬢様聖水! ?︎

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 これ、「女子高生の聖水」「働くお姉さんの脚の匂い」などと同様のアダルト関連商品かと思いきや、女性の間ではつとに有名なリバランドという酵素飲料を販売する会社の新商品なんだそうです。

 なんと言う「ネーミングの妙」。
予想通り(?)今月一日から販売したところ話題沸騰、男性からの問い合わせや注文が殺到し、メーカーは嬉しい悲鳴をあげているのだとか。

 リバランドは「お嬢様酵素」という、3年で累計90万本の売り上げを記録した大ヒット商品を有し、世界各国からも注目を浴びている企業なのだそうです。この「お嬢様聖水」は創業以来の研究成果と技術を結集した酵素ドリンクでお嬢様シリーズの最新作なのです。

 からだの求める117種類の自然の恵みを凝縮。

 当然、美を求める女性をターゲットにした商品であるはずですが、真っ先に食いついたのはフェチストM性癖を有する男性だったというわけです。

 ネーミングを担当した広報の男性は「少々困惑気味…」と語ってますが、エーッ!これは明らかに狙ったでしょう?(笑)

 “涙を流す裸の女性”を描いたチープなイラスト、黄金色の泡立つ液体、“お嬢様”という言葉が持つ不可侵なるイメージ。
これではM男性が興味を持つのも当然です。

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 ネット上では発売前からそのネーミングが話題になっていたそうですが、聖水=女性のオシッコというのはSM関連のスラングかと思っていたら、いつのまにか一般にも広く浸透していたんですね。

価格は210円でキヨスクでも販売されているようですが、通勤途中のサラリーマンが買って1日の英気を養うのでしょうか。

陶製のかめによって熟成発酵させた植物エキスを主体にカフェイン、L-アルギニン、ガラナエキスなどの成分を高配合したエナジードリンク。 低価格にも関わらず疲労回復や気分のリフレッシュに大きな効果が期待できそうです。

 しかし、奴隷の僕としてはやはりご主人様から賜る本物の“聖水”の方がいいです。
毎回、同じお味ではなく、ご主人様のお摂りになったお食事やお飲み物によって変化するところも魅力なのです。

 前回のご調教時に頂いた朝一番の聖水は、前夜の飲酒の影響でこれまでになく塩辛いものでした。 まるで海水でも飲んでいるような強烈な刺激が舌を襲い、喉が焼けつくような熱さでした。 しかし、それも紛れもなくご主人様のご聖水のお味。

 2回目、3回目位まではかなり濃厚なお味が楽しめましたが、ご主人様の水分の補給とともに徐々に薄味へと変化していきました。

 聖水は大量のペット飲料を摂取することでほとんど無味無臭にする事が可能です。

 それは白湯を頂いているような感じで、初心者でも抵抗なく飲みやすいものですが、長年聖水を頂いていると物足りなく思えてきます。 僕は、これぞまさに女性のオシッコという味も香りも濃厚なものが好みなのです。

口に含んだ瞬間に口中に広がる独特の苦味と渋み。体調や飲食によって加わる甘みや辛味。喉ごしで一気に飲んでしまうのがもったいないくらい美味です。

鼻をくすぐるような若草の香り。目の前に迫りくる神々しい女性の核心。
人肌の温もりが興奮を誘い、便器として使われているという思いが、被虐のボルテージを一気に高めます。

五感をフルに使って味わう極上の飲み物。こんな素晴らしい飲み物は他にはありません。

若い女性の聖水を何十年と飲み続けた老M男さんは、肌ツヤも良く不老に効果を上げていると聞いたことがあります。

 これぞ人類の長年の夢である不老長寿の妙薬かもしれません。 “不老不死の仙薬”を求めつづけた秦の始皇帝が、処女の聖水風呂に入っていたという伝説もあります。

美しい女性の体内を巡り、女性器という“最強のパワースポット”から放たれる神の水。

 このエナジードリンク「お嬢様聖水」はご主人様にお飲み頂き、奴隷の僕はご主人様のお身体の中を巡った有効成分の残滓を分けて頂く方がいいのです。 そこには若くて美しい女性の体内で生成された特有の成分も付加的に含有されているからです。

 それは美しい支配者様に隷従するマゾ男にのみ有効な成分なのかもしれません。 あたかも麻薬のように作用し、不老長寿と引き換えに生涯ドミナのお足元から離れられなくなるのです。 それでも奴隷の僕は、ご主人様の恵んで下さる“女神の水”の魅惑的な味と香りの虜になっています。

これこそが、マゾ男における「お嬢様聖水」の正しい摂取方法だと思うのであります。

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プロフィール

mugi

Author:mugi
踏みつけられて、より強く丈夫に
育つムギの様でありなさいと
ご主人様が付けて下さった奴隷
名です。なんという素晴らしい
ネーミングセンス!
しかも音の響きも可愛らしい。
ビールが大好物の僕にピッタリ!
とても気に入っています(*^o^*)
馬派(苦痛)・犬派(奉仕)・豚派
(便器)全てのM性癖を持ち合わ
せたオールラウンダーな変態を
目指しています。

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