femdom的結婚生活について考えてみる
ネット上で公開されている「亭主元気でマゾがいい!」という漫画が話題になっています。
この作品は“M男性と結婚して自分好みに飼いならし、快適な結婚生活を送ろう”という若い女性に向けた提言がコンセプトになっています。
作者の六反りょうさんは、元女王様という異色の経歴を持つ女流漫画家さんです。
SMバーに勤めていた時にお店で出会ったM男性に見初められ、その後結婚。 従順なマゾ夫を日々調教しながら幸せな結婚生活を送っているのです。
作品ではご自身の体験に基づいて、マゾ夫を持つ利点から調教(躾)のコツまで、femdom的結婚生活の理想形をコミカルなタッチで赤裸々に描いています。
“性の不一致”が原因で離婚に至るケースが増えている中、夫婦の性癖が合致しているのはとても幸福な事だと思います。 ほとんどのM男性が恋人や奥様に自らの性癖をカミングアウトできず、SMクラブで欲求を満たしているのが現状でしょう。
たとえカミングアウトしたとしても、その特異な性癖が受け入れられるのは稀有な例です。 ノーマル寄りでフェティシュな願望ならまだしも、ハードな鞭打ちや便器願望まで理解してくださる女性は極々少数派ではないでしょうか。
ですからマゾヒズムが肥大しすぎて恋愛や結婚不適合者となった者にとって、コアなM性癖を受け入れてくださる女性との出会いは“奇跡的”な事と言えます。 もしそんな理想のお相手と巡り会えたのなら、すぐにでも告白して結婚に踏み切るべきかもしれません。
しかし、僕のようにドミナを神格化に近い形で崇拝しているようなケースでは、少し事情が違ってきます。
ドミナとの埋められない距離感こそがマゾヒズムの根底をなしていることが多いからです。
“支配者と奴隷の身分差”が大きければ大きいほど萌えるわけです。
そうなると基本的には対等な人間関係にある“結婚”という形式は、お互いの距離が近づきすぎてしまって、崇拝の妨げになると思うのです。
またドミナもS性癖を持っている以外、普段はごく普通の女性ですから、生活を共にすれば様々な面が見えてくると思います。 非日常的な妄想が強いマゾほど、ドミナの日常的な部分は目にしたくないという思いもあります。
悪く言えばメッキが剥がれて幻滅するというような事態も考えられるわけです。
奴隷がドミナに幻滅するなどあってはならない事です。
これはドミナに対して、過剰な思いを抱いている奴隷の側に問題があります。
ドミナが自然に振る舞うのは当然の事で、奴隷の偶像視に付き合って自分を作っていてはお疲れになってしまいますし、それでは主客転倒です。
ですから僕の女性支配の理念はあくまでも一定の距離を置いた片想いが基本です。
報われる事がなくても愛情を注ぎ続ける純愛です。 僕は“純愛マゾヒズム”に強く憧れているのだと思います。
しかし、この作品で描かれているようにライトな主従関係を目指すなら、女王様との結婚もアリかなとも思います。 少なくともノーマルな女性と結婚して、満たされない思いを抱いて悶々と暮らすよりは幸福な人生と言えそうです。
結婚生活における主従関係はSEXのスパイス的な意味合いとして考えるならば、十分夫婦間の潤滑油になり得るのでしょう。
ところで、この作品タイトルに物言いをつけるわけではありませんが、マゾを一括りにしているのは少々気になります。
M男の性格も個性も多種多様だという事は注意したいところです。
果たしてマゾ男性は女性に対して従順なのでしょうか?
僕は、男性マゾヒズムは単なる性的嗜好であって、その人の人間性とは無関係だと考えています。
このブログをご覧頂いているマゾ男性には申し訳ありませんが、M男ほど自己本位でわがままな人種はいないのではないかとさえ思っているくらいです。
ピンクちゃんねるのSM板やホスラブ等の掲示板に書き込まれる女王様がたに対する悪口雑言の数々。 そこには女性崇拝の精神の欠片もありません。 それらを読んでいるだけでもM男が女性に従順だなどとは到底思えないのです。
自らの性的嗜好に固執するあまり、女性の気持ちまで思いが至らないエゴマゾたち。
SMクラブの女王様に過剰なサービスを要求し、叶えられないと不満を爆発させるお客様マゾ。
日常では女性蔑視や差別傾向が強い逆転マゾ等々。一癖も二癖もありそうな人種がM男ではないでしょうか?
かくいう僕も自分の中に燻り続けるエゴマゾ面といまだに格闘し続けているのです。
六反りょうさんの旦那さんは、たまたま“性格の優しい、女性に従順なマゾ”だった。 あるいは“マゾヒスト且つ女性崇拝者”だったのではないかと思います。
ただ、この女性崇拝者というのも全ての女性を対象に崇拝しているとは限りません。
美人だけを崇拝している者もいれば、知的な女性や若い女性限定で崇拝している者もいるかもしれません。
大抵は自分が女性と認識できる範囲の中で崇拝しているのだと思いますが、それも裏返せば女性差別や女性蔑視と言えなくもありません。
従順なマゾ亭主を持ちたいと望んでも事はそう簡単ではありません。
M男は掃いて捨てるほどいますが、実際に六反さんのご亭主のような誠実なM男性を見つけるのは至難の業かもしれません。
作中では若い女性は皆、S男性の方を支持していますが、M男が不遇の時代から抜け出して
女性から愛されるようになるためには大きな意識改革が必要だと思います。
M男性の皆さん、S女性様に愛して頂けるようなるべく自我は抑えて、日々奴隷の精神で女性に尽くしましょう!
“ドミナのお喜びは奴隷の喜び!”
この精神があればS女性様とのfemdom的結婚も成就し、幸せな奴隷人生を歩めるかもしれません。
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